2021年12月11日

マナーと思いやり

ネットでちょっと話題になっていた、マナーの話。私も心当たりがあるので、ちょっと一言。 

カウンターで腕時計を外す話なんですが、私も実は「外す派」です。理由は漫画にも書かれているように、腕時計の本体部分やバックル部分、さらには金属バンドを使用して入れば(私は革ベルト派)、手を動かしたときにカウンターに傷を付けたり、あとはグラスとかお皿と当たって傷を付けたり壊したりしないまでも、やはり音が発生して回りに迷惑を掛けるだろうという可能性もあるから。只、私は別にお寿司屋さんのマナーというだけでなく、居酒屋さんだろうがフレンチだろうが、基本お店に入ると腕時計をして居れば外してポケットに入れるようにしています。ただ、別にマナー講師に言われた訳じゃ無くて、それまでも腕時計をして居ると、よく机とかにぶつけていたりしていたので、それが自分の物でも困るし、時計だって傷つくし、それなら空港の保安検査場に入る時同様に外しておきましょうと自分で判断しての行動。私は興味が無いので一切持ち合わせていないけれど、時計で無くても、ブレスレットとか仮にして居れば、同じように外して食事すると思います。ただし、これは腕時計がむき出しになる季節に半袖のポロシャツとか着用して居る時にはやりますが、長袖のシャツとかジャケットを着用していて、腕時計が隠れるような場合にはそのまま着用して食事をしたりします。

もう一つの山葵を醤油に溶かすかどうか何ですが、私は「溶かさない派」です。理由は山葵の風味とかもあるけれど、お刺身を食べるときに山葵を溶いてしまうと、後から青魚とかを生姜とかニンニクで食べるときに困ってしまうから。お店によっては、山葵用の醤油皿と生姜やニンニク用の醤油皿別々に出してくれる場合もありますが、これはこれで何か醤油が勿体ない気もするし。さらに言えば、山葵がチューブわさびとか練りわさびの場合には、味に期待出来ないし、そのまま山葵を口に入れるとホースラディッシュ(山山葵)の味が強かったり、変な味を感じることもあるので、誤魔化すために醤油に溶く場合が殆どだなぁ。本当にその場で擂り下ろしてくれた本山葵ならば、山葵だけ舐めて日本酒のアテにする事もあるので、勿体なくて醤油に溶けないと言う理由もありますし(笑)。だから、ちゃんと本山葵をすって出してくれているのに、それを大量に醤油に溶くのを見るのは一寸やるせない。私が個人的に一番通っているお寿司屋さんは、以前は醤油皿を別々に出してくれたりして居ましたが、今は大将が手元で醤油を刷毛で一筆塗ったり塩とスダチで食べるスタイルで、お刺身にしても握りにしても出すようにしているので、「ワサビを醤油に溶くか溶かないか問題」は発生しないので平和に頂くことが出来ます(笑)。

腕時計の話に繋がるんですが、私の行きつけのお寿司屋さんで、とあるお客さんが何かの理由でカウンターで青色ボールペンで何かメモかなんかを書いていて、何か手が滑って白木のカウンターにボールペンの後が付いてしまったことがあったそうです。このカウンター、白木の一枚板の立派な物で、独立して自分のお店を持った大将自慢の物だったので、日頃は温厚な大将がかなり怒り、その場でそのお客さんを出禁にした、と言う話も。お店をどの様に利用するかは、その人の自由だと思うけれど、本来食事をしてその付帯措置として会話をするくらいならまだしも、それ以外の余計なこと、SNS用に写真撮影重視になる事も含めて、やはりそういう部分を考慮して利用することが、先ずは「マナーの一歩」じゃ無いだろうか。一方で、自分が食事機会を楽しむ事は第一目標ではあるけれど、それがお店で一人だけならまだしも、他にお客さんもいるならば、やはり独りよがりな行動をするべきでは無いし、そこは自分だけで無く回りへの思いやりこそが最大のマナーじゃ無いかと。私は納豆は絶対口にしないし見るのも嫌ですが、食事処とかで納豆が並んでいても文句は言わない。ドリアンとかくさやの乾物とかが名物のお店なら、最初からそういう所は避けるようにします。逆に、食事の時に香水とかコロンぷんぷんで来る人には出て行って貰いたいし、向こうが動かないならこちらが出ていきたいくらい。結局は、マナーというのはその時々の思いやりだし、思いやりが自然とマナーを形作る物だと思う。あと、時代によってもその内容は変わっていくものだから、10年、20年単位でも変わるものだと思う。そう言う事を理解した上で、一番重要なのは食べる側は勿論、回りや作る側の人も含めて、気持ち良くその時間を共有出来る可動が最善のマナーなんだと思う。時計を外すにしても、山葵を溶くにしても、自分で納得してやっているならそれで十分なはずで、それを理由を付けて他人に強要することが一番の問題だと思う。

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