2021年11月22日

自己犠牲とカニバリズム

時々見ているChieko NagayamaさんのTLでの書込。日本では、子供達にとっては大人気なヒーローで、教育的効果も言われている「アンパンマン」ですが、海外での評価は低いというのは、その設定が馴染まないからだと思う。

アンパンマンは、言ってみれば「返信ヒーロー物」の類と言って良いと思うけれど、基本的に人間以外の有機物・無機物が、人の形を取るという事に海外では特に欧米では宗教的なこともあって抵抗が大きいと思う。それって、基本的には悪魔とかそんな存在と思うんじゃ無いだろうか。トランス不オーマーにしても、元々の設定がロボットの変形物という素材があるから、何とか受け入れられただろうけど、あれも半分くらいは「車」でいるからまだ良かったんじゃ無いかと。

アンパンマンが致命的なのは、顔を千切って分け与えるという部分だと思うんですよね。もう結構以前ですが、とあるテレビ番組で日本のアニメを海外に売り込もうみたいな企画物バラエティがあって、アンパンマンを含む幾つかのアニメを外国人に見せて、その反応を見るという物がありました。で、アンパンマンに対して殆どが否定的な意見で、その一番の理由は「カニバリズム(人肉嗜食)」を彷彿されるということで、なるほど欧米的価値観で見るとそうなるのかと妙に感心した記憶があります。日本人的な感覚なら、アンパンマンはあんパンから出来たヒーローで、かつジャムおじさんが何度でも顔を焼き直せることが特徴。アンパンマンは、その形の時は正義のヒーローだけれど、顔を取って困っている人にパンを分け与えるときには、普通の「パン」と頭の中で日本人はすり替えてみているんですよね、多分。でも、欧米人的価値観だとそうには見えない。これはカルチャーショックだったし、言われてみればなるほどと納得出来る話でもあります。

外国人と話しをして居るときに、基本的なビジネスの話とか一般的な話で齟齬を感じる事は殆ど無いのだけれど、社会的な事とか文化的な話になると、中々日本のことを伝えるのは難しいし、相手の事を理解するのも難しい場合があります。一番顕著なのは、日本では「八百万の神」がいるわけだけれど、キリスト教が主体の彼らは「一神教」以外の考え方が理解出来ない。アンパンマンにしても、これは「自己犠牲のデフォルメ的表現」と言ってみても、彼らから見ると「カニバリズム」そのものに見えてしまう。ロボットですら、鉄腕アトムみたい「人型ロボット」には、中々抵抗があったけれど、スターウォーズのC-3POのキャラクター設定が一寸おっちょこちょいの五月蠅い存在みたいになっているのは、そんな意識が隠れているのかなぁと邪推してみたり。これだけが全てじゃ無いけれど、海外の人たちと仕事をしていると、色々に本の常識が通用しないことも多いわけで、そういう部分を理解しつつ相手にも気を配り、でも日本的な考え方も一寸は理解して欲しいなと思うか岩というかコミュニケーションが出来れば理想的なんですが。中々そこまで語彙力も語学力も無いし、自分自身の知識の少なさもあるから、そう言う事の手前で終わってしまうのが常。仕事柄、海外の人たちとの会話はプライベートな部分でも多い方だと思うけれど、結構気を遣う部分でもありますよね。今回の様に、日本人的には何でも無いと思うことが、結構海外では重要かつきわどい内容だったりするんだよなぁ。

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