2021年11月1日

野合失敗

4年振りの衆議院選挙が終了し、当初の「自公与党不利」の下馬評が覆されて、自民党は議席を減らしたもののほぼ満点の結果と言っても良い「絶対安定多数(261議席)」を単独で確保。与党の自公での議席は293議席となり、憲法改正発議に必要な「310議席」には届かないものの、日本維新の会が41議席確保したので、今後の状況次第では可能な状況。一方で「政権選択選挙」と思いっきり盛り上げた立憲民主党は、元の議席から1割以上減らして96議席。共産党も2議席減らして10議席と、こちらは「惨敗」と言って良い結果なのでは。

個人的には、自民党が議席を減らすことはあっても増える事は無いと思っていて、問題はその減り幅と「誰が落ちるのか」という事。今回程度の-10議席くらいから-40議席という事前予想もあったけれど、結果的には一番軽微な想定に落ち着いたと言えるのでは。特に、良くても単独で過半数を維持出来れば御の字と思っていたので、無所属からの追加公認も含めてではあるけれど単独で絶対安定多数(261議席)を確保できたことは大きいのでは。ただ、大臣経験者などの大物議員が落選したりしているけれど、こう言っては失礼だけれど「落ちるべくして落ちた」感が大きい人達だから、そんなに大きな影響は無いと思う。それでも、選挙の責任者である余り幹事長が比例復活したけれど、辞任する方向というのは、まぁ仕方ないかなぁ。自分は小選挙区で落ちても、全体の議席が増えた、ならばまだ良いけれど、予想よりも良かったとは言え議席を減らしての小選挙区落選ですからね。

問題なのは、今回「立憲共産党」と言われた、立憲民主党と共産党の結果。どちらも、以前の議席数から1割以上減らしているわけで、政権選択選挙と言っていた以上増えるどころか減っているのだから、彼らの主張を国民は「良し」としなかったわけですからね。選挙前に大々的に喧伝していた「統一候補」に関しては、地域によっては自民党や他党の候補と競り勝って当選しているので、それなりに効果はあったと言う事ですよね。ただ、それ以上に、「立憲共産党」に対しての抵抗が元々の支持者から多かったと言う事なんだろうか。一番の理由は、近畿圏で日本維新の会が大躍進をして、それに食われたと言う事が大きいのだろうけど。辻元清美氏の落選は、その所長みたいなものだろうし。特に、共産党は「必ず勝てる地区」は残したはずな訳で、それでも12議席から10議席に減っているのは影響が大きいのでは。自分達の議席には影響せずに、代わりに立憲民主党に恩を売って政策に関わるという目的が、半分しか達成出来なかったわけですからね。まぁ、それ以上に深刻なのは立憲民主党だとは思うけれど。

今朝の記事を幾つか見ていて、この記事の中で「自分が生んで育てた政党」みたいな事を言っていたと書かれていて、これまでの枝野氏の言動というか個人的に疑問を感じていた行為の原因が何となく理解出来た気がします。つまり根底にあるのは「自分の政党」という意識なんですよね。だから、何があっても手放さないし自分の主張しか認めない。それに迎合している所属議員も多いから取りあえず野党第一党にはとどまっているけれど、今の国民民主党が分離した理由も何となくはっきりした気がします。それは今回大躍進した日本維新の会との連携を否定しているところにもあるわけで、正直なところ共産党は言うまでもなく、社民党とかれいわ新選組等よりも、よほど維新の方がまともだと思うのに。悪まで「政策」では無く「政局」で政治を進めるという事なんでしょうね。まぁ、今回の選挙で分かったことは、戦略としての「立憲共産党」は失敗したけれど、戦術としての「立憲共産党」はそれなりの成果を出したと言えること。でも、これを次回の参議院選でも続けた場合、さらに政党としての立場というか存在意義が変わっていき、それが崩壊のスタートになりそうな気がする。

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