2021年11月17日

BALMUDA Phone


高級家電製品で有名なBALMUDAが発表した「BALMUDA Phone」。記事にも書かれているよう、スペック的にはミッドレンジクラスの仕様ですが、価格は高級機並みの10万円以上という強気の設定。その理由は、内蔵する基本アプリをゼロから自社開発したことと、デザインも独自デザインを採用したために、全体の開発コストが上がったためという説明。その部分は、自分も開発部門の端くれとして凄くよく分かる反面、中々ハードルは高いと思う。

年々大型化が進むスマホ業界の中で、4.9型フルHDディスプレーというのは、iPhone13 miniよりもさらに一回り小型。さらに背面がラウンド型になっているので、掌への収まり具合は良さそう。ただ、メカデザインにしてもパーツデザインにしても、初期コストはかなりかかるので、通常はそれなりに台数が期待出来る場合とか、シリーズで共通化するなどして全体のコストダウンを図るんですが、このモデルはどれくらいを想定しているんだろうか。同型クラスの価格からすると2~3倍位違うと言うことは、結構この価格でも厳しい気がします。

ハードウェアやメカはまだしも、それ以上にジワジワ効いてくるのがソフトの開発費。ハードウェアのように、一度作ればほぼ完了とは行かず、当然バグ修正や機能拡張、さらには提供し続ける間は勿論、それ以降も場合によっては補修サービスしないといけない。 でも、そこを作り込むことが出来れば、同じAndroidというプラットフォームでも差別化が出来るので、有利になることも。ただ、作り込んだ結果、同じAndroidでも基本的な操作が別機種から移行した場合違ってくると、戸惑う理由にもなってしまう。Windowsパソコンも、昔はPCメーカー各社いろいろ独自アプリや設定をして「〇〇のWindowsパソコン」みたいな形にして販売していたけれど、例えば富士通の親指シフトとかの様に「どうしてもその機能が無いと困る」というレベルまで成長すればまだしも、そこまで到達出来なければ、お客さんは他社にどんどん移ってしまう。Apple位の囲い込みをして、それなりの満足度提供出来れば良いんですが、お金と手間と時間の掛かる領域にどれだけ我慢比べできるかなぁ。

記事には書かれていないのですが、例えば同社の家電製品とのリンク機能を今後は持たせて、このスマホから操作したり管理出来るようにすると言うのも差別化の一つだと思う。ただし、よほど特殊な機能で無い限りは、基本BluetoothとかWi-Fiで接続して操作する物だろうから、この機種のみに固定する必要は無い。それら家電ユーザーのことを考えたら、一般のスマホ用アプリとして提供する方が全体の満足度は上がるはず。その上で、同社製品同士なら出来る事・出来ないことが上手く差別化出来れば良いのですが、中々難しいと思うなぁ。

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