2021年10月1日

テレワークだと仕事がはかどらない


ITmediaの記事から、Adobeが実施した働き方に関した調査で、日本を含む七ヶ国で唯一日本だけが「テレワークの方がオフィス勤務よりも仕事がはかどる」に対して42.8%(他国はほぼ70%以上)と明確に低い割合になっています。

Adobeの調査だからか、その理由として、

「ハンコや書類へのサインなど、オフィスでしかできない紙を使った業務が、テレワーク環境下の仕事効率化の妨げになっている」

と推定しているようですが、それも大きな理由の一つだと思うけれど、やはり日本のこれまでの「働き方」に対しての意識改革というか、新しい仕組みや制度に対しての躊躇というか抵抗感が最大の理由じゃないだろうか。私自身、「在宅勤務」今で言うところの「リモートワーク」を初めて、もう15年以上になって逆に「リモートワークで無きゃ仕事できない」体になってしまっているんですが(笑)、それでも時々には「オフィスにいれば、これ直ぐに解決出来るのに」と思う作業とか時間はありますからね。どうしても日本人的感覚でこの手の調査をすると、リモートワークかオフィスワークか、二択みたいな「1 or 0」みたいな考え方をしてしまうのも、影響が大きいと思う。

「どちらが良いか」と考えてしまうと、そりゃぁ何でもかんでも揃っているオフィスワークの方が便利だし楽なわけで、唯一の問題点の「通勤」にしても、1週間もリモートワークをしていれば五月蠅い自宅から離れたいと感じる事も増えるだろうし。「慣れ」という事も有ると思うんですよね。多少大変でも、慣れている方法とか方向に流れやすいのも、日本人的な気質のような気がします。だから、本当にリモートワークを進めたい・活用したいのであれば、まずは「リモートワーク・リモート環境が前提」という考えに固定して、その為にどの様に自分の生活リズムだったり、生活習慣だったり、そして仕事のやり方とかモードも変化させる位の考えが必要。何度か書いていますが、やはり最初の労力(Initial Cost/Initial Workload)は結構有る事も事実で、でもそれを乗り越えるという「覚悟」というか「決意」に近い物が必要な気がします。だからこそ、会社側の支援とか理解がないと達成は難しいし、失敗する確率も高くなりますしね。

自分が「リモートワーク派」では有るけれど、例えばオフィス出社するのに毎日車で高速道路を1時間2時間ドライブしてくるのが普通のような社会と、日本のように大都市圏なら公共交通網が発達していて、便利に移動出来る社会では、やはり「オフィス」に対する印象は違うと思うんですよね。一方で日本の場合は、例えば新幹線網であったり、各都道府県にほぼ一つはある空港網、そして全国を網羅している道路網と、移動に関しての利便性も発達している。私の知り合いの某著名人の方は、30年以上前に「ノマドワーカー」を自称して、会社の外でもっぱら仕事をしていたけれど、日本の場合は「外でも仕事をしたい」という環境じゃないかと。それに対して、例えばアメリカの場合は「(時間などに縛られたくないから)外で仕事をしたい」社会なんだろうな、と感じます。そう言う意味で、この日本のリモートワークの状況が欧米と比較して「良い・悪い」と評価するのでは無く、「それならば、日本向けのリモートワーク環境とは何」という、日本らしいあるいは日本固有の「働きやすい環境」を考える切っ掛けにして欲しいですよね。だから、個人的にはこの50%という値は、いかにも日本らしい値じゃ無いかという気がします。

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