2021年10月6日

60年前の成果

昨日発表された、今年のノーベル物理学賞に、地球温暖化の物理モデルを考案した真鍋淑郎氏等3人が受賞したというニュース。真鍋氏は、現在アメリカのプリンストン大学の上席研究員を務めていて、国籍もアメリカ国籍を取得済みという事だけれど、2年振りの日本人受賞者ということで、今朝のトップニュースに。 

受賞の対象となる真鍋氏の研究は、1960年代に考えられたものという事で、それって自分が生まれた頃の話じゃんとビックリ。三人が受賞したけれど、三人の共同研究というわけでは無く、それぞれ気象関係の研究の中でまとめて受賞されたものという事で、TLとか見ていると「一寸強引」というコメントもあって、その辺りの事情は野次馬本位で興味が沸きますが、まぁそれでも受賞は目出度い。

今でこそ、日本の誇る「富岳」とかスーパーコンピュータを使って、気候のモデルを作成して天気予報の精度は格段に向上していますが、まぁその基本を構築した方と思えば間違っていないのかな。「気候」とか「天候」と言うと、「物理学」とはちょっと異なる、どちらかと言えば「地勢」とか「自然科学」というイメージが強いけれど、そこに気候のモデル化をして、数値解析やら運動シミュレーションやらを加えたら、それは情報科学とかデータ解析の話にもなるわけで、言われてみたらなるほど「物理学」かもしれないと編に納得したりして。

選挙対策で立憲民主党が発表している公約の中に、「基礎研究の充実」みたいな事があって、何を今更散々事業仕分けしてきたくせにという反発はあるけれど(笑)、それはやはり正しい意見である事は確か。今の人だと、インターネットとかパソコンとかスマホとか当たり前に存在していて、そう言うものを使って開発とか研究することは「日常」だけれど、自分達が20代の頃なんて「インターネット」はまだ無かったし、パソコンにしても4bitsとか8bitsの「マイコン」がやっと出てきたくらいの時代でしたからね。数値解析なんて言う時代でも無かった。さらに言えば、そういう半導体の研究がそれまでやられていたから、自分達の時代にも製品化されたものがあったわけで、その基礎研究となると1940年代とかさらに遡るんだろうなあ。研究だけで無く、人の生活にしてもそう言う歴史と積み重ねがあっての「現代」な訳で、そう言う事もちょっと思い出す機会になれば良いのになと一寸感じた、今回のノーベル物理学賞発表でした。

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