昨日は菅総理の総裁選不出馬のニュース一色だったけれど、それと同じ位個人的にビックリした、政府分科会での制限緩和のニュース。メディアは、政府分科会と政府との対立みたいな物を面白可笑しく取り上げていることが多いけれど、専門家として感染対策第一に考えてより厳格で厳しくかつ効果的な方法を考える分科会と、感染対策は重要だけれど、それ以外にも経済活動や社会保障なども考慮して、広く国民支援をしないといけない政府との意見で相容れない部分があることは事実。そこをすり合わせて、実際に適用するのが政府の仕事だし、その為には分科会の意見が100%取り入れられるとは限らない。だから、分科会としては自らの立場と異なる部分に関しては批判もするだろうし、意見もするのだけれど、それはそれである意味健全な関係でもある思います。
その分科会は拡大する感染対策として、これまで行動制限とかより厳しい対策を要求してきたわけで、二週間程前にも行動制限の仕組み作りと言う事まで発言していました。それが、今すぐの話では無いけれど、ワクチン接種の状況を前提にしつつも、行動緩和に関して言及したことは凄く画期的だと思うし、まだまだ油断は出来ないけれど「with コロナ」という次のステージが見えてきたからじゃ無いだろうか。分科会の立ち位置を考えると、何度も言いますが凄く画期的な発言だと思う。
ただし、その部分だけを切り取られて都合の良いようにメディアに利用されないためか、「今すぐという話ではない」とか「集団免疫の獲得は当面無理」と楽観的な期待をちゃんと否定する事も忘れない。うん、多分結構な数の人が「もう外に出ても大丈夫」と誤解するだろうし、それをちゃんと伝えるにはメディアに頼っては出来ない事を学習しているなと、そこにも感心してしまった(笑)。実際新型コロナウイルスの指標を見てみると、全国平均や東京都の値は、明らかにピークを過ぎて下降傾向を示しています。第五波のピークが高かったから、ここの数値は未だ高いままだけれど、以前の数値と比べると明らかに下がっています。一方で、愛知県とか近畿圏の値はまだそこまでの状況は見られず、心配は続くのだけれど、やはりピークは過ぎたかなという兆候は見られるので、このままその傾向が続けば来週くらいには東京当たりと同じような傾向になるんじゃ無いだろうか。
勿論、縮小傾向に入ったからと言って、直ぐに重傷者や入院患者が解消されるわけじゃ無くて、数は少なくなってもそれなりの数の人が日々入院待機になったり重傷者病棟に入らないといけないわけで、医療体制の危機感はまだ当分続くでしょう。だからこそ、そこまでの「もう少し」を何とか崩壊させずに支えることが今は一番重要。そう言う意味では、どうしても楽観的になってしまう「行動制限の緩和」というような話も、本当はもう少し内部にとどめて外に出すべき話では無いのかもしれない。変に期待させて、また再拡大する可能性もゼロでは無い訳ですから。多分誠実な尾身先生だから、内部で出た話は出来るだけ伝えようとするでしょうね。最近インスタグラムを始めるなど、今後強力と理解が必要な若い世代に対して自ら遡及しようとされていることもあって、多分まだ我慢できるだろう高齢者層よりも、すでに爆発している若者世代に対してもう少し協力して貰うために、こう言う明るい話題にもリスクを取って言及していこうと考えているのかもしれない。もしそうであれば、是非分科会の期待に答えるのが、三密回避やマスク・手洗いという基本行動に、ワクチンの積極的接種などと同様に、「自分達が出来る努力」として行うべきだろうなあ。記事の最後の言葉、
「私たちの役割はリアリティー、実際の正しい姿を知ってもらうことだ。光はあるが、光は無条件には来ない」
はまさにその通りだと思う。だからこそ、もう少し光を呼び込む努力をしないと。
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