2021年9月4日

矛盾する要求

菅総理の退任発表に対して、予想通り野党からは批判が噴出しているけれど、それらって矛盾している発言だという事を彼らは理解しているのだろうか(いゃ、理解していないだろう-反語(笑))。 産経新聞のこの短い記事ですら、突っ込み所は満載な訳で、例えば

  • 「(不出馬を受けて)レームダックになり新型コロナウイルス禍に政治空白が生じる」と言っているけれど、今回の不出馬を受けて総裁選挙が延期されるとかされるわけじゃ無いから、それはないでしょう。仮に菅総理がそのまま総裁選に出馬したとしても、再選されるとは限らないわけだし。さらに、不出馬の理由を「コロナ禍対策に専念」と自ら言っているわけだから、それが疎かになれば問題だけれど、今の所コロナ禍対策に関しては菅総理の仕事の中でも評価出来る物の一つだと思っているので、これが後数週間で頓挫するとは思えない。その後の方が心配ですよね、誰が総理に成っても。
  • 「首相は無責任で政権運営する資格は無い」と批判しているけれど、それなら先の国会中に内閣府視認案を出して批判を形にすれば良かったのに、結局は解散総選挙が恐くてそれも出来なかったわけで、説得力の無い話。「無責任」さでは自分達のこれまでやってきたこと、今やっている事の方が、よほど無責任だと思う。
  • 「衆議院解散、枝野内閣」とか言っているけれど、解散総選挙とその結果の内閣組閣は別物。それに、菅総理の退陣による政治空白を心配するなら、それよりも時間が掛かる政権委譲の方が問題なのでは。少なくとも自公政権が継続するのであれば、既存の政策の中で必要な物はそのまま継続すれば良いけれど、野党政権に刈りになったらそれらも全部白紙に戻されるだろうし。旧民主党政権になった時に、まさにそれが行われて、かつ「仕分け作業」という政治ショーで徹底的に叩いたわけですし。
  • 「新しい政権を速やかに発足させる準備が十分に整っている」と言うけれど、「野党共闘」と言いながらも共産党の扱いでは、それぞれの思惑だけで実際には共産党の集票力を立憲民主党が利用しているだけ。統一候補の話だって、まだどうなるか分からない。政策に関しても、左寄りの立憲民主党とですらまだ乖離が大きい共産党とどう折り合いを付けるのか。一番説得力の無い話だと思う。
先の安倍前総理の突然の退陣のような場合なら、まぁ幾つかの批判に関してはもっともと感じる部分もあるけれど、今回は元々決まっていた総裁選挙スケジュールはそのままだし、その先にあるであろう衆議院選挙に関してはまだ未定だったわけで、その状況に変化は無い。ただ、菅政権継続という選択肢が無くなったことで、総裁選挙後には新しい「自民党の顔」が決まり、その人が次の内閣総理大臣になることで、菅政権継続の場合よりも時間が掛かる可能性は大きくなります。それだって、菅内閣継続の場合でも起こる話なわけで、突然の話でも無い。唯一の問題点として、衆議院議員選挙が議員任期を超えて11月までずれ込む可能性がある事だけれど、それだって菅内閣継続の場合だって可能性はあったわけで、全く突然の話では無い。結局は、可能性の確度は替わったけれど、いずれも装丁されていた話ばかりな訳で、唯一想定外だったのが菅総理の任期での退任という話だけ。そう言う意味で野党は、最悪の場合として先の国会中の解散総選挙を想定してその時点で準備万端の状態で無ければおかしかったわけで、それが出来ていない時点で彼らの敗北だと思う。

別の記事にも書いたけれど、仮に直後の選挙で勝利するつもりであるなら、個人的には集票力の大きいだろう高市早苗氏が一番の候補になると思うけれど、その後の政権運営では一番不安が心配かなぁ。「人気」という意味では河野太郎氏もそうだけれど、やはり運営能力で対立が起きそう。メディアでは、相も変わらず石破茂氏の名前が最初に上げてきているけれど、あれって何でだろうか。申し訳ないけれど、あの何を回りくどく言っているのか理解出来ない話方を聞いているだけて、個人的にはイライラしてくるし、それは菅総理の話し方の比ではない。見た目の貧相さで菅総理を批判する人も結構見たけれど、石破氏だってそんなに良いわけじゃ無いし。それに、これまで4回(?)総裁選に立候補して、毎回一番に推されながらも敗れているわけで、自らの派閥も雲散霧消状態。派閥を持っていることが立候補の条件では無いけれど、やはり有る程度の人気のバロメーターにはなると思うし。


野党として何をするべきかと言う話に結局はなるのだけれど、それって今する話でも無いと思うし、現時点でそれが無いことが既に結果を示していると思う。大体政党支持率で、共闘野党全部の支持率を合わせても、自民党一党の半分にも満たないわけで、先ずはそこから考えるべきでは。旧民主党時代には、政権交代直前の時には、自民党と民主党が20%位で拮抗するくらいまで言っていたけれど、其れ以前の小泉政権の頃でも10%以上の時もあり、自民党の半分近くを獲得していたわけで、そこに自民党の支持率が下がってきたから選挙時の互角の状態が生まれたわけです。まぁ、その為には出来もしない政策とか、有りもしない埋蔵金の話で人気を獲得していたわけで、それはそれでもっと検証されて批判されるべきだと思うけれど、少なくともどう言う話をすれば国民の支持が得られるかという事くらいは理解していた気がします。それが今の野党となると、週刊誌報道の後追いしかしないし、自分達の無知をさらけ出しても何とも思わない状態が何年も続いている。政党の看板である、党首だったり常用役員の顔ぶれも、選挙で負けてもそのまま変わらない。それでは国民の支持も得られないし、野党としての「安泰の位置に満足している」と揶揄されても仕方ないと思う。まぁ、その理由の一つが、その時その時都合の良いことだけ発言して満足している、こんな記事にも表れてしまうんでしょうね。

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