2021年9月15日

ネットの誹謗中傷対策強化

SNS上の誹謗中傷対策強化の向けて、川上法務大臣が侮辱罪の強化をすることを明らかにしたという記事。記事にも書かれている女子プロレスラーのケースとか、最近の学校での虐め問題だってSNSが絡むケースが多いですし、こう言う成り行きは当然というか、もっと早く出てきても良かった判断じゃ無いかと思います。

リアル社会と異なりネットの場合、

  1.  時間と場所を選ばす、何時でもどこからでも対象者に対して誹謗中傷行為が可能になる
  2. 匿名性があるので、自分の行為を有る程度秘匿できる
  3. それ故に、理性的な発言・行為から逸脱しやすくなる
  4. 物理的な暴力行為では無いので、怪我とか外傷とか証拠となる物が残りづらい
  5. 基本的に「文字」での会話だから、行為による原因が(多分)特定しづらい
  6. ネット社会派特殊とか、一部の人の問題とか、矮小化されやすい
等等、ざっと思いついたことを羅列してみても結構問題点が多いと感じますよね。一番の問題は、匿名のIDとかニックネームで参加している人を特定して行く作業が、不可能では無いけれど手間も時間もお金も掛かる事でしょうね。発言の自由の問題も有るので、一律取り締まるわけにも行かないし、それはリアル社会でも有る課題だと思うんですが、さらにネットだと難しくなる点、どの様に対応するのだろうか。

TLとか見ていると、これまで散々好き勝手やって来た人達の自業自得という意見もあるけれど、これを悪用しようとすると、誹謗中傷に当たらない発言までも「誹謗中傷」として批判する事も可能になってしまうわけで、結構この手の法案というのは諸刃の剣でもあるように思います。リアル社会でも、例えば社会的地位のある人とかより声の大きい人の発言が、仮に問題があっても良いように扱われて、そうでは無い弱者の立場の人の方が責められるケースが多いように思います。ネットでも、日頃発言とか活発に活動している「インフルエンサー」の発言は見逃されるけれど、何かの切っ掛けに注目されるようなごく一部の人に対しては熾烈な追求になったりしないか、それも心配。弱者を守るべき法律が、弱者を追い詰めてしまう法律運用にならないように、そこはこれまで以上に注意が必要。

何度か書いているけれど、ネットの場合はどうしても匿名性だったり発言するに当たっての色々な敷居の低さもあって、どうしてもぱっとした思いつきとか思い込みでの発言をその場で書き込んでしまう傾向があります。それが延々と拡散されたり、批判合戦に発展したりして、無用なリソースの消耗戦になる事が多々あります。本当は、ネットの特性を上手く利用して、チェアパーソン的な人が旗振りをしてくれるのが一番なんですが、全ての論争にそんな人を付けることも無理だし、中々難しいですよね。昔だと、近隣のもめ事があると、ご近所のご意見番的な長老というかそんな人が仲裁に出て丸く収めた物だけれど、そんな風習というか付き合いも無くなってきましたし。ネット世界では、さらにそんな経験・歴史なんて生まれる余裕も無いほど新しい世界だし、あっと言う間に時間が進んでいく世界ですからねぇ。法律に関しても、ネットとリアルではその内容や対応も変えた方が良いのかもしれないなぁ。

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