PCWatchの記事から、自宅で半導体チップ(IC)を製造してしまった話。 記事にも書かれているけれど、チップ製造の一番の肝であるパターン作成を、PhotoshopとDLPプロジェクターを使うと言うのが凄いなぁ。そこまでの解像度が得られるんだぁ。でも、さらに高密度のチップ製造にはIllustratorにしないと細部の再現が難しいかも。其れ以前に、DLPの解像度が問題になるか。
最近では、コントロール部分としてラズパイ(ラズベリーパイ)が普通に使われるけれど、あれも小型化されているとは言え、色々周辺部品や周辺装置が必要。自分が欲している機能に特化した専用チップが製造出来れば、小型化も可能だし、メリットは確かにありますが、やはり製造に掛かる部分で最初に書いたマスク製造やクリーンルームと言った、かなり特殊な技術や設備が必要ですからね。比べるのも烏滸がましいけれど、自分も昔は銅板に回路パターンを書いてエッチングして専用基板とか作っていましたが、あれを何十倍何百倍何千倍も細かい回路バターンと、その上に乗る半導体素子類を形成していくわけだから、その大変さは想像を絶する物であることは確か。
「自宅でできる」とはいえ、どれくらいの設備をこの人は持っているのか一寸興味深いですね。幾ら「自宅で製造」と言っても、家一軒くらいの規模を準備しないとこれくらいの物が作れないとなると、流石に趣味の範囲を超えそうだし。せめて、10畳位の部屋の中で必要な設備が収まるなら何となく実用的といえそうだけれど。まぁ、考えてみたら、黎明期の半導体企業の創業者なんて、多分似たような環境で今よりももっと悪い条件の中四苦八苦しながら製造していたんだろうから、それから比べたらまだ恵まれているんでしょうけど。
今回製造されたチップは1,200ゲートから構成されていて、Intelの最初のCPU「4004」は2,250ゲートなので、今回のチップの倍の密度があれば、到達出来る事に。回路設計に関しては、昔は一つ一つゲートを記述して論理回路を組み立てる必要が有ったけれど(だから、チップ製造の前に既存のトランジスタを組み合わせて擬似的な回路を畳み一枚くらい有りそうなボード上に作って検証したりしていましたねぇ)、今はそんなことをしなくても論理式をそのまま回路図に展開出来るので、回路設計自体はそんなに難しくないだろうし。そう言う意味では、製造さえ可能なら、後は自分好みの半導体チップを作ることはそんなにハードルとして高くないといえるかも。そうなると、独創的なチップの登場も期待出来るけれど、今のメーカーの半導体集積度レベルはとんでもないしなぁ。でも、こういう所から次の技術って生まれてくるものだし。ちょっと興味が沸きますよね。
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