Microsoft社が発表した、月額制クラウドPC「Windows 365」。 具体的な月額利用料金などはまだ発表されていないけれど、従量課金制度だったVDI (Virtual Desktop Infrastructure)よりはお手軽になりそう。そして、この形態というのは、自分がパソコンというかコンピュータを弄りだした30年以上前から考えていたような形にかなり近いという点でもちょっと興味が沸きます。
こちらの記事にもあるように、Windows環境を仮想デスクトップとして使用する事は既に可能だったんですが、結構面倒。大企業などが社内のエンドユーザー向けにサービスするとかの用途以外では、一寸簡単に利用するというわけには行かないもの。「IaaS (Infrastructure as a Service)」ですからね。それを「SaaS (Software as a Service)」というか「WaaS (Windows as a Service)」という形に落とし込んだのが、この製品と言って良いんじゃ無いかと。しかも、物理的なハードウェアに依存せずに、HTML5対応のブラウザーが動けばそのブラウザー上で動作するから、WindowsだMacだAndroidだというOSの壁は無くなり、それこそ「Windowsパソコン」自体が無くなるかも。
課題は途中の通信網(通信速度)ですよね。フルHDの解像度(1,920×1080)でYouTubeの1080p再生可能な程度の回線速度が必要と書かれているので、最低でも5Mbps位のパフォーマンスは必要。スマホなら4Gとか5G、Wi-Fiでもそれなりの場所なら十分カバー出来る速度だと思うけれど、それが安定して利用出来るかというとまた別の話になりますからね。こう言う仮想デスクトップ環境が今後の情報デバイスの方向性だと思うから、やっぱり通信環境の充実というのも重要。それでも、10年、20年前と比べれば、今は通信環境に関して困ると言う事は殆ど無くなりましたからね。
私くらいの世代だと、こう言う仕組みを見て思い出すのは、昔のホストコンピューティング時代に使用していた端末(ターミナル)。大きく分けて、CUT (Control Unit Terminal)とDFT (Distributed Functional Terminal)があって、CUTはまさにこんな感じで、端末上は表示装置とキーボードのI/O管理だけ。ホストコンピューターの場合、直接ホストと端末が接続するわけでは無く、途中にCU(Control Unit)という中継器みたいなものが挟んであって、そこと端末はやり取りするんですが、まぁ仕組み的には同じようなもの。一方のDFTは、端末側にデータ処理回路があり、画面更新等を行うもの。CUTの場合は、キーボードを押したらそのスキャンコードが数バイト単位でホストに送られるのですが、ホストからは随時画面更新のデータが流れてくるので、そのUp/Downのアンバランスが中々面倒でした。今回も、そう言う問題がもしかしたら発生するかもしれない。そうそう、今はブラウザー上で使用する事を前提に為ていますが、何なら今のWindows10/11の凄く軽量版OSを作って、昔のDOS見たいにサクッと起動してサクッとプラウザーの「Desktop」を開始して、Windows 365を呼び込むような、今のChromebookみたいな端末が出てくるんじゃ無いだろうか。
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