昨日最大のニュースと言っても過言では無い、日本から台湾への「ワクチン輸送大作戦」。続々と事の経緯を説明する記事が航海されているけれど、この台湾発の「10日間の静かな作戦」という見出しの記事は、ちょっとしたスパイ小説を読むような内容。 昨日も書いたけれど、両国の最大の懸念は中国からの横槍だったろうから、本当は4日にワクチン輸送が完了するまでは秘密裏に進めたたかったと思うんですよね。で、それも考慮して「6月4日」という、中国にとっては一番触れられたくない日を選んだとしたら、この計画の責任者というか実行者は、相当の戦術家と言えるんじゃ無いだろうか。
「64」こと1989年6月4日の「天安門事件」は、多くの人にとっては記憶からは薄れつつある事件なんだけれど、まだ多少なりとも当時の状況をリアルタイムで経験して記憶に残っている自分などは、やはり何か神かがり的なものを感じてしまいます。日付けだけで無く、今回ワクチンを空輸した「JAL809」便の便名「809」も、「1989年」の「89」という話も出ていたけれど、これは流石にこじつけだろうなぁ。もともと、成田→桃園の便名が「JL809」だったし。それに、そのものズバリ「JL089」という便名のフライトは「羽田→上海(浦東)(現在運休中)」に跳んでいることは良いのだろうか。それよりも、JAL便で空輸したのがちょっと以外でした。いゃ、JALの「鶴丸」は日の丸を想起させるという事で、以前はわざわざ別会社「日本アジア航空」を作って、台北へ飛んでいたわけですからね。
JALが再度就航して結構な時間がたつけれど、やはり鶴丸の機体が日本からワクチンを運ぶことは、ちょっと意味深な気がします。さらに言えば、JALはJL809便を飛ばしてはいるんだけれど、定期便だと「火・木」の週2便なんですよね。だから、金曜日の昨日のフライトは臨時便のはず。逆に、ANAだと、「羽田→松山」が「月・金」の週2便とんでいるので、本来ならこちらを使うのが普通だと思うんですよね。まぁ、想像を膨らませれば幾らでも謀略論が出てくるのだけれど、個人的には既存の定期便を利用することで予め空輸の情報が流れることを嫌がったんじゃないかと。それに、臨時便ならワクチン空輸のみに制限することも可能ですから、不安定要因を可能な限り排除することも可能だろうし。
改めて思うのは、今回の台湾へのワクチン提供、これまでの日本を考えると、全く別の「日本」が行動したような印象を受けます。先ずはその決定した速さと、実際に行動する迅速さ。それとともにビックリしたのは、先の台湾発の記事に書かれていた、今回提供された124万回分のワクチンが、現在日本が製造保管しているアストラゼネカ社製ワクチンの全量でそれを提供したということ。「124万回」というのが、何か中途半端な印象を受けたのですが、取りあえず有るもの全部と言う事であればそう言う数字になる事も納得出来ますし、数量の多い少ないは別にして「手持全て」というのは、凄く相手に対して説得力有るというか、仮に124万回分でなく12万回分でも、相手側の受ける印象は大きいでしょうね。台湾の人口約2300万人と比較したら、124万回分は2.7%分でしか無いけれど、その数字以上の意味と価値を双方にもたらすものであることは確実。124万回は、今の日本の接種状況でみたら2日分にも足らない量だけれど、これまで台湾が確保していたワクチン量が80万回分であったことを考えると、やはり大きな数字であることは間違いないですよね。日台友好と言う事も大きいけれど、世界でも感染対策優等生だった台湾が、再びその状況に戻れば、台湾だけで無く世界的にも感染終息への足がかりになるわけで、そう意味でも今回のワクチン提供は大きな意味があったと思います。まさに、"God Job, Japan!"という感じ。
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