ワクチン接種反対派への敵視が拡大しているという記事。記事での趣旨に反するかもしれないけれど、今回のワクチン接種関して反対している人達の主張は、アレルギーとかアナフィラキシーショック等ちゃんとした理由も勿論あるんだけれど、記事にも書かれているような「遺伝子組み換え」とか「5G電波が」「磁力が」と、余りに荒唐無稽な事柄を理由にして、ワクチンに反対する事を強要している事が問題だと思う。
勿論、接種する側としても、集団免疫獲得のためにワクチンという物が今最大の武器であるからと、それを強要する事は出来ない。 だから、早く多くの人がワクチン接種する事が重要だけれど、それぞれの意見を尊重することが大事なわけで、そう言う意味では接種賛成派よりも接種反対派の人達の行動の方が、より過激な気がします。例えば、記事の中の社員では「マスクをはずそう」というプラカードの写真が使われているけれど、ワクチン接種の有無とは別にウイルス拡散対策としてマスクの有効性は既に確認されているわけで、それを外すそれなりの理由が無ければその主張には賛成出来ない。少なくとも、本人の意志あるいは信念としてマスク不着用を主張して実行することまでは個人の自由だと思うけれど、それを第三者へ強要することは範疇外の行動だと思う。「マスクを外そう」ではなく「私はマスクをしません」なら理解出来るという事。
色々なことで同様の事象を見るんですが、賛成するにしても反対するにしても、自分の主張や行為を正しいものと思い、他人に遡及するところまでは許されると思うけれど、それが「強制・強要」するレベルまで進むと、それはどちらの場合でも間違った行為としか言えない。また、その行為の表現として、SNSや街頭活動をする事も自由だとは思うけれど、多くの人の目に触れれば触れるほど、それに対しての反応の振れ幅も幅広くなるわけで、そう言うリスクは承知している人はあると思いますね。「人の気持ちに寄り添う」事は必要と思うけれど、その内容やレベルまでは規定できない。さらに「反対意見に耳を傾けて、科学的事実に基づいた議論をすることが重要」と言うけれど、今回のワクチンに関して言えば、反ワクチンの人の主張にはどう考えても科学的事実に基づいた主張とは思えない物が殆どのような気がする。上記のコメントは、多分ワクチン反対に対して賛成派への意見として書かれて物だと思うけれど、全く同じ事が反対派に対しても要求されることをちゃんと言うべきでは。記事を読むと、間違った主張かもしれないけれど反対派への圧力が酷すぎるというトーンを感じますが、それは逆の立場でも同じだと思う。
そう言う背景に「疎外感」があると言うけれど、そう言うものを利用している人が居ることも大きな原因の一つだと思う。例えばワクチンの前にはPCR検査の有無が似たような対立構造を作ったけれど、あれだってPCR検査の限界や精度を考えれば適切な利用方法は限定されてくるのに、闇雲に全員検査しろ、陰性なら問題ないという無責任なことを、一応「医療従事者」という肩書きを持った人までが言うから問題になったのでは。科学的知見を持っているはずの人ですら、それを歪曲して利用することもあるわけで、そういう部分もこう言う対立構造を生んで拡大させる大きな原因だと思う。勿論、反対意見の中には一理あると感じるものも有るし、再検証した方が良い物も有るだろうけど、結局はそう言う専門的な背景はちゃんと知識や経験がある人にしか分からない事なので、どうしても一般の人は感情的、あるいは短絡的な主張に傾いて言ってしまう。そう言うものを盛んに流しているメディアの責任だと思うけれど、そのメディアが無責任に視聴率や人気取りに走るから話にならない。少し前なら情報リテラシーと言っていた物が、今では「社会生活リテラシー」と言わなきゃならないほど陳腐化してきている気がしますね。
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