毎日新聞に掲載された、太陽光発電に関しての記事。大規模太陽光発電の開発により、景観や自然破壊などの問題が、日本各地で発生しているという事を言っているんですが、そんな事以前から指摘されていること。 それにしても、47都道府県で8割がトラブル絡みというのはちょっと酷い気がする。まぁ、当初は家庭での個別発電が太陽光発電の主流でしたが、補助金目当てにどんどん大規模開発が始まり、最初は閉園したゴルフ場とか遊休地を活用していたのが、今では大規模に山奥の斜面開発とか住宅街の直ぐ横でも急斜面に太陽光パネルが張り付いている場所をよく見ますからね。
記事を読んで笑ってしまったのは「原子力発電に代わる主力電源として期待されながら、」という所。そんなことを思っているのは、太陽光発電で一山当てたい人間か、よほど原子力発電に否定的な立場の人だけでしょう。大体原子力発電は、細かな出力調整などは出来ない半面、安定的に大規模な送電が出来るから「主力電源」として活用されている。昼間の一時期しか発電できない、しかも悪天候の時には発電できないような「出たとこ勝負の発電設備」を主力電源」として使用することは無理。以前から書いているように、よほど大容量で低コストの充電設備があって、昼間発電された電力を十分に充電して、夜間とか悪天候時に放電することで補うことが出来るならまだしも、そんなことは到底無理な現状では単なる夢物語。毎日新聞は、どちらかと言えば「反原発、太陽光発電推進」の傾向があると思うけれど、その毎日新聞でさえ「全国で公害化する太陽光発電」と書くほどだから、よほど酷い状況なんでしょうね。
脱炭素も必要だろうし、1000年に一度の大災害だろうとそのリスクは可能な限り提言することも重要。また、幾ら問題の多い再生可能エネルギー特に太陽光発電と言えども、使い方では有効な場合も多いわけで、結局はTPOに合わせてより好ましい手段、より好ましい組合せを活用して行くことが一番大切なんじゃ無いだろうか。どんなことにも「100%」とか「ゼロ」という事が無いように、発電にしても「これだけ」というものは無いはず。太陽光発電が大規模になればなるほど、その発電の多少による電力調整作業が必要になり、その分火力発電所が右往左往しないといけない。結局、脱炭素とか自然に優しいといって太陽光発電を導入しても、火力発電にこれまで以上に頼ることになり、結果的に炭素排出量も増えるし、自然にも厳しい状況になっているのは大きな矛盾だと思う。
脱炭素と言う事でやり玉上がっている石炭火力発電も、日本の技術は世界トップであり、決して単に炭素を垂れ流しているわけでは無い。国内の設備を入れ替えるだけで無く、途上国へ支援することで、低価格で高効率の発電設備が現地で利用出来ることで、世界的な脱炭素にも貢献できるし、途上国支援にも繋がるはず。そう言う大局的なプランを考えるのでは無く、単に「炭素=石炭=悪者」というテンプレートで考えるのは短絡的すぎると思う。個人的には、まずは現在有る原子力発電を再稼働して、まずは安価で安定的な電力を担保し、それによって経済活動をまずは活性化させるべきだと思う。その余裕を使って、必要な所には自然エネルギーを導入しても良いだろうし、出来れば最近注目されている小型原子力発電(SMR)にもっと投資をしていち早い実用化を目指すべきだと思う。大体日本では福島第一原発の事故が未だによく引き合いに出されて「原子力発電は危険」と言うけれど、その何十倍もの被害を出したチェルノブイリ事故のソ連は、今や原子力発電所輸出を進めている位。それが良いとは言わないけれど、日本のように余りに感情的に支配されて判断するのでは無く、客観的に判断することをもっと進めるべきだと思う。そう言う判断を阻害していた理由の一つが、この記事の「原子力発電に代わる主力電源として期待されながら、」という意識に集約されていると思う。
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