ファイザー製ワクチンの接種間隔に関して、英国での知見から現在言われている3週間の感覚では無く、12週間に広げて接種した場合、抗体濃度が3.5倍増えることが分かったというNewsweekの記事。記事にも書かれているように、英国では感染拡大を元素させるために、限定された数量のワクチンをより広く接種するために、2回目の接種を遅らせて、その分1回目の接種者数を増やす苦肉の策を進めたのですが、結果的にそれによって2回目接種が遅れたことが良い結果をだしているらしい。
ただし、既に検証されている3週間のインターバルと比較して、9週間も伸びるわけで、その約二ヶ月間に感染するリスクも指摘されています。英国の場合は、外出に厳しい制限があるロックダウンも併用していたので、多分そのインターバル中の感染リスクは低かったのでしょうが、日本の場合は逆に1回目接種で安心して、2回目の接種期間中に出歩くことに夜感染リスクが高まりそう。あと、元々の3週間間隔と12週間間隔という二つの例しかないわけで、例えば3週間間隔、5週間間隔、9週間間隔みたいに、もう少しインターバルの違いでのリスクと効果のバランスを調べてみたいもの。でも、それはやはり全員が必要な接種を受けて、余裕が生まれてからでないと中々厳しいでしょうね。
インフルエンザとか、その他一般的なワクチンの場合、多分1回接種すれば必要十分な場合が殆ど。複数回接種が必要な場合でも、今年と来年の2回とかそんな感じですよね。今回の様に、3週間インターバルで2回接種が必要というのが、大きなオーバーヘッドだと感じます。ワクチン廃棄よりも周りの人に接種奨励の話も、そこで1回接種して終なら簡単なんですが、その時点での接種と3週間後の2回目接種が可能な人という条件がさらに付くわけで、となると単純に近くにいる人を引っ張って来てワクチンを打つと言うわけにもいかないだろうし。
いずれにしても、今の日本に置いては、まずは1回目の接種を進めて加速させることが最優先。日本経済新聞社のサイトに、日本の接種状況を表すチャートページがあるんですが、5月20日の時点で接種者数は552万人余りで、うち2回接種完了は約半数の246万人余り。医療従事者480万人対象の8割が1回目を、48%が2回目まで接種完了しているようですが、ここを先ずは100%完了に持っていきたい。一方で、次の対象レイヤーである高齢者は3549万人対象のうち1回目接種完了はまだ4.7%。1日当たりの接種回数も50万回を超えたけれど、目標の100万回/日にはまだまだ遠い印象ですね。それでも累計接種回数のグラフを見ると、回数のカーブが上向きに上がっているので、接種回数に関しては加速度つきつつある事は確か。スタート時は、経験も無いしノウハウも少ないから、どうしてもトラブルの方が多いような印象を受けますが、ワクチン接種がスタートしてそろそろ一月が過ぎますが、4月はワクチンの供給量も限定されていて、実質的なスタートはG.W.明けであることを考えると、2週間くらいでここまで増えていることは素晴らしいのでは。この勢いで行けば、6月初めくらいには100万人/日の目標到達もかなり可能性が高くなり、そうなれば一月で約3000万人接種出来るので、6月中には1回目の、7月末までには2回目までの接種完了もかなり現実味を帯びてきます。それでも、その後の残り6000万人近い接種対象者完了には、最短でも4ヶ月は掛かる計算になるから、まだまだ道のりは遠い気もします。今は、国民の6割がワクチン接種を受けて抗体を持つことが出来れば、感染拡大を押さえることが出来ると言われていて、そうなると9月中くらいにはその目標に到達出来るのかな。まだまだ先は長いけれど、やっとゴールが見えてきた気もします。
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