2021年4月29日

tweet出来ない国からのtweet

 


葛飾北斎の「富嶽三十六景」の中でも有名な絵柄の一つ、「神奈川沖浪裏」。砕け散る波模様がフラクタルだとか、構図の取り方が、北斎独自の「三ツワリの法」という、線と丸を組み合わせた作図とか、今でも新しい発見がある絵の一つ。この有名な絵を、福島第一原発の処理水海洋放出を揶揄する「絵」にしたものを、中国政府の趙立堅副報道局長がtwitterに投稿して日中韓の問題に。


その絵は、船に防護服のようなものを着た人が乗り、処理水らしきものを捨てている様子や、白波の形が何か怪物のようだったり、富士山が原子炉建屋みたいでその上の雲が十字架のようになっていたり、まぁ欲もこれだの「悪意」を詰め込めるなぁと、そっちに感心してしまう内容。流石に外務省も抗議して削除を要求したけれど、中国のましてや政府関係者が自分達の面子を潰すようなことは絶対にやらないでしょうね。

今回は中国政府の副報道局長がやったから、ここまで取り上げられて問題になっているけれど、似たような福島の原発事故を揶揄するような絵や造形物は、国内外でこれまで色々出てきた物。韓国は東京2020の聖火ランナーが防護服を着て走るような絵で顰蹙と非難を被ったし、ドイツのテレビ局も原発関連のパロディー絵を嬉々として公開していたりする。それと比べれば、今回は政府レベルで抗議している分だけまだましなのかもしれないけれど、こう言う事は徹底して反論して、相手が10を出してきたら、20、30ではなく100位で跳ね返すくらいの事をしないと、結局はそれが既成事実化してしまう。特に今回は「副報道局長」の行為なんですからね。ある意味、中国政府の「正式な意見」と取られても仕方の無い行為。

ネットで指摘されていて、「なるほど」と感心したのは、「自国民にはtwitterを禁止しているくせに、役人はtwitterで揶揄するのは良いのか」というコメントで、これはなるほどと思わず膝を叩いたくらいの名言。さらに「表現の自由の範囲」という擁護意見に対して、「表現の自由の無い国で?」という切り返しも絶妙なわけで、まぁどう言い逃れしても、直ぐに反論されてしまう状況である内容・行為であることは確か。子どもの喧嘩では無いので、互いに似たような事を言い合いしても仕方ないけれど、外務省の報道官の反論も、もう一寸厳しくても良いのでは。元々は、韓国を盾にして日本を揺さぶり、それで某かの利益を得るくらいのことを考えているかなと思っていたので、今回の件も趙副局長の独断なんでしょう。とは言っても、一度振り上げた手を下ろさせるのは難しいわけで、これまでの日本だとなぁなぁで何となくフェードアウトを期待するのだろうけど、尖閣のことも考えるとここからは一歩も譲らない態度を維持しないと、さらにエスカレートするだけだろうなぁ。結構政府としても、慎重な対応が要求されるような気がします。

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