2021年4月20日

ウイルスセンサー


理研・東大・京大の共同研究で、新型コロナウイルスの超高感度・世界最速検出技術を開発したというニュース。 記事では簡略化されていて今ひとつよく理解出来ませんでしたが、リンクされているリリースレターを見ると、ちょっと理解出来た気がします(笑)。

ウイルスRNAとある機能の酵素を混ぜておくと、RNAと酵素が結合したときに微細な蛍光シグナルが発生するので、その個数をカウントすれば、RNAが幾つあるか分かり、且つその単位はウイルスRNAの1分子レベルで検出できるというもの。そう言う働きをする酵素技術と、さらには微細蛍光現象を感知できるデジタル技術の融合という事なんでしょうね。

リリースレターの後半には、今回の新型ウイルス以外の基礎疾患の診断や発見にも応用可能ということで、かなり期待が持てる技術のように感じられます。また、ランニングコストがUS$9となっていて、PCR検査のUS$5と比べてそんなに高くなく、将来的にもさらに安価に出来るとのことで、有望な技術のように感じられますね。まずは新型コロナウイルス検査に特化した技術の確立なんだろうけど、そこから他のウイルスや疾患への展開はかなり早くなりそう。センサーというか、蛍光を完治する部分は純粋に微細半導体加工技術なので、後はそのウイルス等に応じた酵素とそれに反応する蛍光レポーターと呼ばれる発光物質の特定が出来れば、どんどん応用の可能なんでしょうね。

試薬というか、一番分かりやすいのはリトマス試験紙だと思いますが、酸性・アルカリ性の度合いで色が変化して、それでpH値を知ることが出来ますが、行ってみればそれを凄く微細に且つ正確に実施するような物という大雑把な理解でOK? これまでだと、化学反応を起こす試薬開発が中心だったけれど、そこにデジタルの技術が入る事で、例えば人間の視覚では捉えられない高速な変化や微細な変化まで認識出来るので、より試薬の種類の幅も広がると言う事なんでしょうね。犬の嗅覚で癌を検知するとか言う話が以前有ったけれど、多分その犬の高感度の嗅覚部分を、デジタルセンサーが補うと思えば良いんでしょうね。段々と、サイボーグの世界観が近づいて来た気もするのは、SFの読み過ぎ。いずれにしても、日本発の技術として早く実用化して欲しい。

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