2021年4月22日

ドローンと自動運転


 ドローンの世界的メーカーとして有名な中国のDJIが、そのドローンで培った技術を生かして、自動車の自動運転の分野に乗り出したという記事。私は、ドローンに関しても自動車に関しても、一般的な知識しか無いけれど、個人的には一寸疑問を感じる話し。勿論、DJI自体は大きな会社だし、色々技術的な蓄積はあるだろうから、自動車の自動運転に関してもそれなりに実力はあるんだろうけど、記事にあるようなドローン技術がどれだけ有利かという点に関しては、まだまだ未知数だと思う。

個人的にドローンと自動車の自動運用を比べて、大きな違いは二つあると思っていて、一つはドローンは空中を3次元機動出来るけれど、自動車は平面上の「道路」の部分を線状に移動する事しか出来ない点。勿論緊急時には道路を無視する場合も有るだろうけど、基本的には「道路」という通路上の移動しか許されない点は、今のドローンとは大きく異なる点。それだけ制限要素が多いわけで、ドローンの機動にも多くの制限が生まれるはずで、その分かなり異なるアルゴリズムが要求されるような気がします。そしてもう一つの違いは、ドローンは何か障害とかの発生を予見したら、その発生地点を回避するように飛行経路を変更するけれど、唯一異なるのは自動車の場合には重要な行動動作である「緊急停車する」という事が無いという点。個の違いは結構大きい気がします。

3次元機動であるドローンに対して2次元機動をする自動車だから、違いが発生するのは当然で、例えばドローンが危険回避のために急上昇したり急降下する場合には、自動車では急停車する、という置き換えをすることで近似する事は可能でしょう。でも、左右の急旋回をするケースでは、自動車では道路からはみ出してしまう可能性もあるわけで、その場合はぎりぎりを掠めるように前進するのか、やはり急停車するのか、色々アルゴリズムは複雑になりそう。さらに、空中を飛来するドローンは、360度視界はそれなりに確保されるのに対して、車の場合は360度の視界は確保できても、直ぐ先が建物とか他の自動車などで視界が塞がれる場合も有るわけで、その辺りのアルゴリズムも、またドローンとはかなり異なりそうな気がします。

少し前の話題で、今後EV車が市場を席巻した場合、既存の自動車メーカーが淘汰されて、新しいメーカー、例えばSWとかデータ処理に明るいメーカーがEVの覇者になる、と言うような話が結構されていたんですが、個人的にはその話にも今は疑問を感じています。理由は、EVになろうが現在のガソリンベースの自動車であろうが、基本はガソリンエンジンが電気モーターに変わるだけで、それ以外の駆動系が変わらない以上、方充電処理とか動作中のバッテリー管理みたいなところは新興メーカーが有利だろうけれど、やはり「車」という商品に仕上げる点では既存の自動車メーカーがまだ有利じゃないかと思います。勿論、EV車として確か日本の大学で研究しているように、タイヤの中にモーターを仕込んで、独立して動作するような今の自動車にはない様なデザインで先行する可能性はあると思いますが、そう言う方向に全体が行かない限りは、自動車メーカーも新規メーカーにも、どちらにもチャンスは有るんじゃないかと。それと同じように、エポックメイキングな技術や製品が登場する可能性は大きいけれど、そこに至るにはまだまだ多数のそして複雑なパラメーターが存在していて、どの様にも傾く可能性が大きいのが、今の自動車市場特にEVやPHV等に関しての乗客じゃないかと個人的には感じています。私も、何年か後には車の買い換え時期が来ると思っていて、もしかするとそれが人生最後の買い換えになるかもしれないわけで、その時にどんな車が目の前に登場してくるのか、ちょっと楽しみに待っているところです。

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