2021年3月26日

ネットリテラシー以前の話

昨日、聖火リレーが始まり、やっと東京2020の雰囲気も盛り上がってくるのかと思っていたら、ネットでは突然「カナダが東京2020不参加を決定 by BBC News」という話が出てきて大騒ぎに。 「あれ?」と思って元記事を見ると、「2020年3月23日」の日付けが。そう、1年前新型コロナウイルスが爆発的に感染拡大し始めたときのニュースが、何故か1年後の今になって再び誰かが取り上げて、それを現在ニュースだと思ったのか、著名人や反東京2020系の人達、何でもかんでも与党批判に繋げたい人達、みたいな面倒くさい人達が一斉に拡散し始めたのが原因らしい。

先ず、こう言う大きなニュースを聞いたら、大前提はその元ソース(一次ソース)を確認することと、複数の情報ソースを確認することが大前提。元ソースは、BBC Newsで、その報道内容自体は事実なんだけれど、ここで日付けまでちゃんと確認しないと今回みたいな事になりそう。しかもご丁寧なことに、年は1年前なんだけれど、月日は丁度同じくらいだから、うっかりすると気がつかない可能性はありますよね。只その場合は、BBC News以外の、例えばCNNとかそれ以外のメディアも確認して、同じ内容のニュースが扱われているのか位は確認するべき。そこまで確認して、やっと「どうも事実らしい」と認識して、ではその詳細は何だろうと次のステップに移るのだと思うわけです。

「情報」や「データ」は、一般の生活では勿論ですが、自分のような開発の仕事に関わっていると、それがかなりの割合と重要度を占めます。さらにその内容のうち、「Time Stamp」は最重要の要素の一つなわけで、同じ現象であっても、昨日のデータなのか1年前のデータなのかでは、当然その評価も変わってくるもの。印刷媒体の場合は、「第何版何刷」という形で、改訂数や改訂日が分かるけれど、Web媒体になるとそう言う情報が無い場合が多くて、良くても「最新更新日」が記載されているくらい。よく仕様書などでは、改訂履歴を別立てにして詳しく記載する場合がありますが、ああいうことがWeb媒体って何故か少なくて、利用しタイミングで「あれ? これって昔あったっけ?」と疑問に感じることも。少なくとも、「この情報は何時作成されたのか」という作成日時と、「この情報は何時更新されたのか」という更新日時の二つは必須だと思う。

今回の場合、丁度1年前の同時期のしかも旬な話題ということで、よく確認せずに皆さん拡散したと思うけれど、そうで無くてもSNSに寄って情報アクセスと情報拡散の敷居が大きく下がった(と言うか、無くなったというか、マイナスになってないか?)現在、「自分の欲している情報・データを信じる」傾向がどんどん高くなっているし、最もずいと思うのは「自分の欲している情報・データとして(無理矢理でも)解釈する」みたいな、捏造に近いようなケースも普通に出てきていることは問題だと思う。実社会では「マナー、礼儀、常識」みたいなものが、段々と蓄積されていき、成人した頃には一般的な常識的なものを、例えば親とか家族、あるいは回りの人から教えられて身につけるものですが、いきなりデビュー出来てしまうSNSは本人にそう言う気持ちがないとそう言うスキルを身につける間もなく、ネットの荒波にこぎ出してしまう。それがネットの良さ、醍醐味でもあるんだけれど、今回の様な軽率浅はかな事例を見てしまうと、ネットでスキルを蓄積する時間が無いのであれば、せめて実社会での経験を生かすくらいのことを考えろよと言いたいのですが、ああいう人達は実社会でもあんな感じなんでしょうね。

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