LINEのデータ管理の問題で、昨日は社長会見もあったんですが、どうも腑に落ちない。 「中国で開発」とか「韓国でデータ保管」という言葉が一人歩きしすぎていて、「中国」とか「韓国」という言葉や地域が問題視されている気がします。問題の核心はそこでは無く、適切にデータ管理されておらず、それを監視検証修正する手段や仕組みが、長期間存在しなかったこと、だと思うんですが。
今の時代、開発委託や業務委託で、国内の会社だけで無く海外の会社とも見積もりすることは普通だし、場合によっては国内企業であっても、そこからサブコンで海外の企業へ再委託されることも(それが嫌なら、契約時に指定しておく)。その場合、最近ではそうでも無いかもしれないけれど、以前なら優秀なエンジニアが安価で雇用できる中国企業へ行くことが殆ど。データセンターにしても、GoogleにしてもAmazonにしてもMicrosoftにしても、自分のデータがクラウド上にあることは確かなんだけれど、その実体が日本国内なのか海外なのか、海外ならばどこなのかは少なくともエンドユーザーは分からない。今回は韓国のデータセンター(DC)が使用されていた事が問題視されているけれど、元の親会社が韓国企業であったり、多分その関係でコスト的にも有利にDC利用可能だったのかもしれない。通信(データ転送)のオーバーヘッドを考えると、必ずしも有利とは思えないけれど、それでも保管データの属性を例えばアクセスや利用頻度の低いもののアーカイブ目的とかなら、別に韓国のDCだろうとインドだろうと、それは問題無い話。
少なく今知ることが出来る範囲での問題点は、そう言う状態が、多分LINEが世の中に登場して認知された頃からずっと続いているのに、LINE自身がそう言う事を認めず政府組織のツールとして利用される場合にも虚偽の回答をしていたことや、今回Yahooとの提携にあたり色々精査されて問題点が発見されたから大きな話になっているけれど、LINE自体努力というか認識がそれまで見えなかったことが大きな問題なのでは。少し前に、大手自動車メーカーの検査偽装問題が発覚して大きな社会問題になったけれど、ある意味あれと同じような話と感じます。でも、それにしても現状インパクトの大きさを危惧する報道って少なすぎないだろうか。
私自身、インスタントメッセージ自体好きじゃ無いし、LINEに関してはスタート時の胡散臭さが信用できなくて、未だにアカウントすら持っていないけれど、簡便で汎用的に利用出来る通信・認証システムというものが今の社会生活で必須なことは図らずもLINE自身が証明している事実。そこは、LINE自体の努力もあっただろうし、色々な理由はあったとは思うけれど、それに比例して責任も大きくなりそれを蔑ろにする事は許されなくなります。その部分を、ちゃんと検証してこなかった我々にも責任はあると思うけれど、やはり当事者であるLINEの責任が一番大きいんじゃ無いだろうか。そう言う意味では、社長会見をざっと聞いてみても、中国からのアクセスを遮断する(いゃ、国内回線経由で幾らでも可能だろう)とか、韓国内いのデータを日本に持ってくる(いゃ、データがどこに保管されているかでは無く、誰がどの様にアクセス出来るのかが核心では)と、ついツッコミを入れたくなる状態。肝心な部分は、何かスルーされて終わってしまったような気がするなぁ。同じような事が別の企業、例えば食品メーカーとか自動車メーカーとかで発生したら、もっと大騒ぎになるんじゃ内だろうか。
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