2021年3月13日

メディアの自浄作用

放送事業会社に対しての外資20%資本規制に違反したとして、東北新社の子会社「東北新社メディアサービス」への放送事業者認定が取り消されるニュース。予め決められたルールに違反していて、それに対しての罰則がルール通り適用されるのだから本来は問題無い話なんだけれど、ここで不思議に感じるのは、「免許取消は、言論への弾圧だ」というような意見が出てこないこと。

以前、高市早苗総務大臣時代に放送事業者の免許停止に関して、「放送法違反があれば対応する」とコメントすると、一斉にメディアや野党から「言論弾圧」のような反応があったと記憶しています。別に特定の事案に対してのコメントでは無く、予め定められたルールに違反したら、定められた対応をするという一般的な答弁だと思うけれど、そう言う事を考えること自体が問題みたいな反論も当時はあったと思います。当時は「想定の話」であれだけ反応があったのに、今回は「現実の問題」なのにメディアからは特にそんな反応は無い。ましてや、言論弾圧という話もで無い。

確かに、20%を超えていたことは事実らしいけれど、「20%以上」とは言っても「20.75%」という値。しかも、それを精査するべき総務省側も見逃していたわけで、そう言う意味では連帯責任とも言える事案思います。そう言う意味で、無罪放免は無理としても、一定期間の免許取消とか、訓告みたいな厳正な注意で今回は納めるとかしても良いような気がするわけで、さらにそう言う用語の意見がメディア側からも出てもいいと思うんですよね。なんせ「言論の自由」を守りたいわけだから。でも、そんな動きが微塵も感じられないのは、その対象が東北新社であり、菅総理の長男が絡む事案だから、擁護の論調が出てこないのだろうか。だとしたら、メディア側が都合の良いように「言論の自由」なるものを弄んでいる気がする。

高市氏の場合は「適切でない内容」という曖昧な判断基準での話で、今回は20%という制限に対して20.75%と定量的に明確に逸脱しているから別の話である、という理由はあるかもしれない。それならば、放送法でのルールを定量的に変更することには反対しないのだろうか。それならそれで、放送事業を萎縮させるとか言ってまた反対する気がするけれど。自ら「公共性」を謳うメディアに置いては、今回の件は一放送事業者の話ではなく、メディア全体に問われている問題という認識を是非持って欲しいですね。でないと、メディアの自浄作用じたいも期待出来ないと思う。

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