2021年2月8日

先祖返り

この週末、Clubhouseに関して紹介とか解説する番組があったんですが、それを見ていて「何か既視感があるなぁ」と感じることに。暫くして、「これってアマチュア無線のラウンドテーブルじゃない」と思いつくことに。

アマチュア無線(HAM)は、基本的には一対一の会話なんですが、「ラウンドテーブル」と言って、日時と周波数を決めて複数のHAM局が集まり話(=交信)する事があります。で、送信するためには免許が必要なのですが、受診するだけなら誰でもどこでも可能なので、そう言うラウンドテーブルをやっているときに遭遇すると、「盗み聞き」ではないのですが、一寸話の内容を聞いていたりします。催す方も、不特定多数に聞かれていることは想定していて、中にはラジオ放送のように日時と周波数を決めて定期的に情報提供、例えば周波数帯のコンディションとか、アマチュア無線にも色々なコンテスト(一定時間内にどれだけ多くの局と交信したかとか、通信距離長さとか)があるのですが、そう言う情報だとか、あるいは技術的な話とか、そんな感じで利用して居る人も結構いました。

Clubhouseとの違いは、

  1. アマチュア無線の場合は双方向の会話(通信)が出来ないので、基本一人が喋っている間(送信中)は、他の参加者は聞いているだけ(受信中)。だから送信者は自分の話の最後に「〇〇です。以上。」とか「〇〇です。次は××(コールサインとかニックネームとか)さん、どうぞ。」とか、話の終わりを示すとともに、次の話者を指定したりする必要があるのが違う。ただ、受診するだけなら複数の送信者がいても聴くことは出来るけれど、実歳は混信して内容は分からない。
  2. Clubhouseは、roomを探して参加すれば良いけれど、ラウンドテーブルは有名な物を除けば何時何処で誰がどんな話をしているかは、広い周波数帯を探して自分で見つけてみないと分からない。
  3. Clubhouseは、開催者は勿論参加者もリストアップされますが、ラウンドテーブルでは送信者はコールサインを必ず名乗るから特定出来る半面、受診するだけだと誰が聴いて居るどころか何人聞いているかも分からない。逆に、全く聞かれていない場合も多い。実は、ラウンドテーブルをする場合も、聞かれたくない場合には周波数帯の中でも余り使われていないような場所をわざわざ選んだりしましたし。
  4. 当然、ラウンドテーブルは「無線通信」ですから、電場が届く範囲のアマチュア無線局との交信しか出来ない。周波数帯によっては、海外とか地球の裏側との通信も可能だけれど、それがいつも出来るとは限らない。インターネットを利用出来るClubhouseは、端末さえあれば何処の人とも基本話が出来るのとは、やはり格段の違い。
私がアマチュア無線の免許を取得して、自宅で開局したのは小学校の高学年の頃。以後、高校を卒業して予備校に入り、そのまま大学進学してずっと地元を離れていたので、メインで運用していたのは中学生から高校生までの6年位。帰省した折には、たまに無線機に火を入れて(=電源を入れての意味)、交信することはあったけれど、その辺りが所謂「アクティブ」な時代の最後かなぁ。今でも、折角取得した免許だからと、5年ごとの更新手続きだけは続けているけれど、昔は何冊もあったアマチュア無線系の雑誌もかなり減ってしまったし、技術系の雑誌も、パソコン系(ラズパイとか)の話題が殆どみたいな感じだし、改めて感じるのは時代の流れですよねえ。 アマチュア無線も、その後登場したインターネットを利用したNewsとかBBS(パソコン通信)に段々と変わっていきましたが、その上で運用されていた「コミュニケーション」が、アマチュア無線(音声)→インターネット(文字)→インターネット(画像・動画)→インターネット(音声)と、ある意味先祖返りしてきたことが一寸興味深いです。

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