2021年2月5日

宇宙寺院


京都の醍醐寺と、宇宙ベンチャーのテラスペース株式会社が、宇宙寺院の開発と打上に関して業務技術提携を発表したという記事。 ご本尊を搭載した超小型衛星を打ち上げて、それを高度400~500kmの低軌道に投入(建立)するとらしい。低軌道だから衛星寿命としては短いと思うだけれど、それは問題ないのだろうか。

この記事を読んだときには、「衛星軌道に打ち上げるくらいなら、月にご本尊を打ち込めばそのままずっと月面寺院として利用(参拝)出来るじゃん」と思ったんですが、多分今の所月面利用の国際ルールとして、そういう宗教的な物とか、永続的に参照されるような物は駄目なんでしょうね。日本の場合、仏教にしても神道にしても、何となくこの宇宙寺院や月面寺院みたいな考え方も許される気がするけれど、海外での宗教だと抵抗があるのかな。

まぁ、ぶっちゃけた話、ご本尊を描いた絵を搭載して打ち上げるだけでも良いんだろうけど、例えば訓話みたいな物を宇宙から配信するとか、色々面白い活用方法は生まれそう。只、気になるのはやっぱり衛星の寿命ですよね。計画寿命まで全うできれば良いけれど、それ以前に何らかの理由で故障したりとか、場合によっては打上に失敗したらどうするんだろうか。まぁ、その時はその時なんだろうけど、これに味を占めて色々な宗派が同様の「宇宙寺院」建立に走り出して、宇宙ベンチャーの良いスポンサーになったりして(笑)。

寺院側の思惑は別にして、ロケット開発をしている会社としては、こう言う顧客が増えてくれれば打上機会も増えて、それだけ経験も蓄積できるし技術の蓄積も出来るので嬉しいはず。そう言う意味では、これまで有るように期しようデータとか観測機械を打ち上げるという標準的な利用目的から外れて、こう言うニッチなところを目指すのは良いかもしれない。しかも、今回の場合は「ご本尊」を打ち上げるわけだから、少なくとも搭載物に複雑な電子回路とか機構が要求されないから、衛星は上がったけれど内部のシステムが故障で使えないという、一番残念な結果は最初から回避できるし。将来的には、衛星の外に強力なライトを付けて、肉眼でも確認出来るようになれば、より御利益を感じるのかもしれないけれど。しかし、これも時代だなぁ。

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