トヨタが静岡県裾野市にある自社工場跡地に建設を発表した「ウーブンシティ(Woven City)」の起工式が行われて、いよいよ「未来都市」建設が実現の第一歩に。 豊田彰男社長を始め、川勝知事等静岡県関係者も多く参加して、県や地元としてもこの一大プロジェクトに掛ける期待の大きさは言うまでもない様子。
「ウーブン(Woven: weave(織る、編む)の過去分詞)」という、耳慣れない言葉が使われたこの未来都市は、これまで言われてきたような「人と車の共存」というテーマに対して、「分離して共存する」みたいなコンセプトがちょっと新しい気がします。報道などに寄れば、1) 自動車など高速移動体用の道路、2) カートなど低速移動体の道路、3) 歩行者用の道路、という3種類の専用道路が縦横編み物のように組み合わされて、効率よく安全に共存できるような「街」作りがコンセプトらしい。確かに、今の町並みの多くは、昔ながらの混み合った市街地に、区画整理や道路拡張などで幹線道路や主要道路が分断するような形で走り、結果それまでに長い年月を掛けて作られた、その町の「路地」とか「裏道」みたいな物が機能しなくなってしまい、結果的に街全体の活性化にもブレーキが掛かるようなプロセスを、逆に進めるような感じだろうか。
「街」の規模としては、当初は360人位からスタートして、最終的には2000以上の「都市人口」を想定して、社会実験・実証実験をするとのことですが、それがさらに広がって「裾野市」辞退が実験都市として大きく変わる切っ掛けになるんだろうか。静岡県は、東部・中部・西部の大きく3地域に分かれていて、西部は浜松市が、中部は静岡市が中核都市としてまとまっているけれど、東部地域は規模的には三島市が一番大きいのだろうけど、今ひとつ西部・中部と比べて「これ」という中心が見えない気がしていました。今回の件が、一つの起爆剤になれば、東部地域としても関東圏に隣接しているメリットも行かせるんじゃ無いだろうか。
SF等に搭乗するような、「電脳社会」にでもならなければ、物理的に人が日々の生活をする委譲「移動手段」は必ず必要。また、現在のガソリン車が、今後は電気なのか水素なのか、別のエネルギー形態に移行せざるを得ないのも事実。そうなると、これまでのような個人単位での車の使い方から、もっと大局的な視点からTPOに応じた移動手段運送手段みたいな物があって、その中で「車」という部品の位置付けが変わってくるのが、これからの「車社会」なんだろうなぁ。「CaaS (Car as a Service)」は、例えばシェアライディングとか、シェアレンタカーみたいな物でも可能なんですが、もっと車自体の存在感みたいな物は、どんどん薄れていくんでしょうね。今後、いつかは運転免許証を手放さなければならない年齢になったときに、そう言うサービスが実用化されて社会の基盤の一部になってくれていたら、個人的にはありがたいけれど、さて間に合うだろうか。
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