2021年2月14日

不確実の積み重ね

以下略ちゃんの記事から、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の記者会見での出来事について。この件に関しては、いろいろ意見は出ているけれど、その議論の発端且つ一番の問題点は、朝日新聞サンフランシスコ支局長、尾形聡彦氏のtweetで、「椅子を引くためだけに出てきた」と断定していることじゃないだろうか。本当に、その為だけに登場したのか、何の確証も無いはずだし、サンフランシスコに駐在しているのであれば、現場で直接取材したわけでも無いはず。つまり、配信された映像から、個人の思い込み・想像で決めつけた発言をしているわけで、それってメディアの仮にも支局長たる立場の人間として、資質は十分なんだろうかという疑問を感じます。そして、最後には「性別役割分業」とまで言っている。女性だからこの仕事を命じたという確証はあるんだろうか。さらに、立憲民主党の蓮舫氏がretweetして、いつものように「怪しからん」と噛みついているのだけれど、直ぐ過去の代表選挙で、自分は男性に椅子を引いて貰っていたことが指摘されてしまういつものブーメラン。

多くの反論では、ホテル等では普通に行われていると指摘しているけれど、この会場が何処かは不明。何処かのホテルのホールを借りて会見をしているなら、この女性はホテルスタッフかもしれないけれど、入場時の映像を見るとこの女性が先頭を歩いて、組織委員会の武藤氏ともう一人の男性を中央の演壇に案内しているんですよね。で、椅子を引いて武藤氏を迎え入れている。自分の想像では、多分会場は組織委員会が入っているビル(テレコムセンターかトリトンスクエア)で、この女性は組織委員会の広報担当じゃないだろうか。だから、手には多分資料と思われる紙の束を持っているし、自ら先導して案内している。仮にホテルのホールなら、ドアを入ったところで先導のスタッフは多分止まってそのまま促すだろうし目立つような紙の束は手に持っていないでしょう。さらに演壇には別のスタッフが待ち構えて、着席を促すように思います。それなら、尚更身内がわざわざ椅子を引くなんて事をする必要は無いんじゃないかと言われそうだけれど、広報担当者ならこの会見の主役である武藤氏の存在を印象づけたいだろうし、複数箇所ある椅子のどこに座るのか、それを明示する意味もあるんじゃ無いだろうか。広報担当者の仕事として、会見を成功裏に行うための「作業」の一つの様な気がします。

何れにせよ、短い映像を見ただけで、あるいはそこに登場したのが女性だからと、短絡的に反応するのは文字通り「大人げない」というか何というか。例えば、この女性が司会役として横に立っていたのに、武藤氏が自分の椅子を引けと命じたとか、実は男性スタッフが既に待機していたけれど、それとは別の女性スタッフを呼びつけて引かせたとかいうのであれば、それならまだ彼らの主張を理解出来ないことは無いけれど、少なくとも映像からはそんな様子は伺えない。森氏関連の会見だから、あるいは今メディアでホットになっている話題だからか、余りにバイアスの掛かった状態で見るから、そんな発想しか出来なくなっているんじゃ無いだろうか。「幽霊がいる」と思い始めたら、木が揺れても、風の音を聞いても、全て幽霊のせいと思うようなものじゃ無いだろうか。

仮にこの映像から「女性蔑視」と言いたいのであれば、最初の方に映っている記者席の様子に関しては何か感想は生まれないのだろうか。ざっと見ると、女性の後ろ姿らしき人は3~4人で、後の7~8人は男性なんですが、それは許されるの?「いゃ、映像では左半分しか映っていないだけで、右半分にはもっと女性がいる」とでも言うのだろうか。それはそれで説得力ない反論だし。会見だろうと、プライベートの食事だろうと、結婚式だろうと、椅子を引いて迎えるというのは最大の敬意とおもてなしの表現だと思うんですよね。となれば、この会見の主役である武藤氏がそのように対応されても不思議は無いし不遜でもない。武藤氏自身が、「こう言う演出をしろ」と命じたのであれば、また違ってくるけれど、そんな確証もこれだけでは分からないわけで、となれば一般的な事柄や状況を類推して、今回の除隊がかけ離れていなければ問題ないのでは。今大きな問題(というか、個人的には大きな扇動と思うけれど)に関わるからと敏感になるのはその人の勝手だけれど、だからこそちゃんとその理屈が理解出来る取り上げ方をしないと、自分で自分達の首を絞める結果しか生まないという事をもっと真剣に考えるべきだと思う。自分で墓穴を掘るのは勝手だけれど、それによって本来の男女平等とか性差別解消というゴールが遠くなることの方が問題だと思う。

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