2021年2月10日

パフォーマンスはピカイチ

森氏の発言に抗議をして、野党議員が女性は白いスーツ姿で、男性議員は胸に白いバラかチーフを指して衆議院本会議に出席したというニュースを聞いて、思わず「???」。 どうも、アメリカで20世紀初頭に女性の政治進出・参政権を訴える運動が起きた際のシンボルカラーが「白」で、トランプ前大統領の就任時一昨年にもアメリカ議会で女性議員によるデモンストレーションが行われたらしい。で、アメリカでは女性の政治参加を象徴する色として「白」が広く認知されているらしい。それを今回野党の女性議員を中心に取り入れたらしいのだけれど...

自分の不勉強もあるだろうけど、この話は初めて知りました。少なくとも、その本家アメリカでは、2017年と2019年にこの「白のデモンストレーション」は行われたのだけれど、日本でも報道はされたかもしれないけれど認知度場殆どゼロじゃ無いだろうか。少なくとも当時のこのアメリカ議会での行動を受けて、日本の国会でも女性議員が同様の行動を起こしたという話は記憶に無いし。代替、アメリカの史実に基づいた上での「白」であるから、それをそのまま日本に持ち込んでも同じ意味と解釈されるとは限らない。日本で「白」と言えば、「白装束」とか「白無垢」とかを先ずイメージするわけで、かなりイメージとしては違う気がします。それを「アメリカでの象徴だから日本でも」と言われても腑に落ちない。確かに、ダークスーツが多い国会では、白いスーツはそれだけでも目立つ存在ではあるけれど、目立つことと何らかの主張をすることは、背景理解があって初めてなり立つものな訳で、それがほぼない日本で同様の行為を実行したとしても、それは何らかの主張を感じる「デモンストレーション」ではなく、単なる目立ちたいだけの「パフォーマンス」でしか無いと思う。

仮に、それなりに背景理解が存在していたとして、国会でこの行為を行う意味は、国会あるいは議会での政界進出に対しての意義になるわけで、それはある意味女性差別の一つの事象だろうけど、今回の森氏の発言に対しての示威行為という意味では一寸方向性が違うと思う。議会なり何らかの委員会で、女性の所属議員や参加議員少ないことに対して抗議するなら、まさにそのものズバリだけれど、でも議員でもない森氏の発言に対して国会でこういうことをするのは、単に自分達が何かやっているというパフォーマンスにはなるけれど、そこから何か生産的な話が生まれて行くとは思えない。代替、行動している野党議員所属の政党にしても女性議員が少ない分けで、それに対しては先ず自党の幹部に対して主張するべきでは。それを実現して、「我々が出来る事を、何故与党は実行しない」と迫れば、一番の効果だと思うのに。それに、国会あるいは与党にしても、五輪組織委員会に直接の権限があるわけでは無いわけで、単にテレビ中継が入るから、目立つからと言う事でのパフォーマンスと取られても仕方ない気がします。今日以降、彼女・彼らのどれだけがこの行為を続けるのか、それを見たら彼らの本気度も分かるんじゃ無いだろうか。少なくとも、議員として文句を言うのであれば、橋本五輪担当大臣に先ず言うべきだろうし。

この「白スーツパフォーマンス」を、誰がどこから知って今回実行させたのか、そこの方に興味が有りますね。でも、わざわざアメリカの100年以上前の史実に基づく事例を持ち込まれても、日本人の自分としてはピンと来ない。それに、元々は「女性蔑視の発言」と森氏の発言を批判していたのに、何でそれに対して「女性の政治進出」のシンボルを導入するのか、その関係性も良く分からない。個人的経験で言えば、議員が目立つための行動や発言をしたときには、ろくな結果にならないという経験則をもっているので、今回の件も正直単なる議員パフォーマンスで、彼らにとっては森氏の発言云々よりも、自分達の「やってる感」を出す方が優先している気がします。こういうことをするから、古い世代の軽率な考えを改めて貰う機会も無くなっていくし、今の社会何が問題で何が拙かったのか、本当に考えを変えるべき論点が,どんどん矮小化されて見えなくなって、もっと大きなでも本筋とは少し違う話だけが膨らんでいく。で、それを政局に利用して自分達の存在感を大きくさせようとあがくので,今必要なコロナ禍対策とか経済対策とか、そう言うものがどんどん置き去りにされていく。だから、野党のパフォーマンスには疑問しか生まれないなぁ。

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