2021年1月12日

プラットフォーム or メディア

トランプ大統領のtwitterアカウントが、永久停止された件に関して、どうにも腑に落ちないなぁと個人的には感じていて、それを説明するこんな記事を読んでもその気持ちは変わらない。佐々木俊尚氏もこんな呟きを投稿されていて、やはり同じような感想なんだなと一寸納得する次第。さらに疑問なのは、トランプ大統領本人のアカウントだけで無く、それに関連するアカウント等も停止されているようで、そうなると個に対しての反応というよりは、何からの組織・勢力に対しての制裁とも言えるわけで、それって事実上の情報交換プラットフォームとしてやり過ぎなんじゃ無いかと感じるんですよね。

中には、先日の米国議会突入を先導したトランプ大統領の発言が、国家転覆罪に繋がるから当然の措置という意見も見られたんですが、うーん、そこまで扇動すると言えるような発言だったのだろうか。一番疑問なのは、twitter社がこれまで4年間我慢に我慢を重ねたけれど、とうとう業を煮やして今回永久停止したというような説明をしているんですが、それも変な話で何で4年間も我慢したんだろうか。「大統領」という地位に忖度していたとすると、現時点でトランプ氏はまだ「アメリカ合衆国大統領」な分けだし、それもあと数日でバイデン次期大統領へ移行するとは言え不自然さを感じる行為。実際、トランプ氏の発言や行動には、どちらかと言えば批判的だったドイツのメルケル首相も、行為としてtwitter社を批判しているし。

最近のSNS、特にtwitterとかFacebookとか、一般的にも言論プラットフォームとして世界的に認知されて利用されているものが、どんどん別の物に変わっているようにも感じるんですよね。勿論、ユーザー数が増えるとともに、想定外の利用方法や情報が公開されることもあるだろうけど、当初は情報交換プラットフォームとして始まったものが、プラットフォームからさらに変化して、形を変えた「メディア」化しているように感じます。勿論、新聞社とかテレビ局ではないから、自ら「〇〇」という意見表明をする事は無いけれど、例えば情報のトレンドとか露出度を操作することで、恰も世間一般的な情報の流れが特定の方向にあるように見せることは可能。それ自体は、ここ最近の日本のメディアでも顕著で、SNSに限ったことでは無いんだろうなぁ。

選挙結果では、トランプ氏はバイデン氏に敗れたわけだけれど、得票数だけ見ればほぼ同数とも言えるくらいの接戦。少なくとも米国民の半数近くはそれでもトランプ氏を支持しているわけで、そう言う「民意」はどう考えるのだろうか。日本でも旧民主党が政権を撮った時も、実は得票数では自民党とそんなに違わなかったけれど、「これが民意」と言ってあの暗黒の3年3ヶ月が始まったわけですが、何か今回の米国もそんな雰囲気を感じるなぁ。いずれにしても、4年前にトランプ氏を選択したのも米国国民だし、今回バイデン氏を選択したのも米国国民。民意故に、そうやって右や左や前や後ろにブレながら、最適と思われる所に終息していくのだろうけど、安定すればしたで、また別の変化を求めて大きく振れ始めるのが世の中の常。そう言うものを、静かに下支えするのが「プラットフォーム」としての役割だと思うけれど、今回表に出て主導権を握り始めたSNSは、どう評価されていくのだろうか。SNSで社会が変化したように、脱SNSの時代がもしかしたら始まるのかもしれない。

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