ITmedia の記事から、テレワークが今後定着しないと考える人が40%にも登るという記事。その理由として最も多い(80%)のが、テレワークに見合った人事制度等というのは頷ける話。これまでの、オフィス集約型のビジネススキームのまま、その中の一部を取り出してそこだけテレワークに換えてもうまくいくはずがないわけで、そこはテレワークに対して最適化していかないと駄目。だからこそ、テレワークに向く仕事もあるし、現状のままのほうが良い場合もあるわけですし。
「国家特級在宅勤務士(自称-笑) 」の資格保有者として言わせてもらえれば、リモートワークをするときには、できれば裁量労働制で仕事をしないと、仕事の効率はもちろん、時間の有効利用も出来ないし、結果的にストレスが貯まり破綻してしまうと思います。それじゃぁ、ECサイトのコールテイカーなんて仕事はリモート化できないかと言われそうだけれど、例えば9 時から5時みたいな時間拘束するのではなく、一日何時間とか週に最低何日で合計何時間対応するみたいなことを組み合わせて、全体として必要なリソースを確保するような形にするとか、そういう仕事のモードも変えないと難しいと思う。というか、最近の現場なら、そうやってパズルを組み合わせるようにして、リソースのやりくりを申しているんじゃないだろうか。で、裁量労働制になると、時間給で計算できないから、どうしてもKPI 設定するとか評価システムも変えなきゃいけないわけで、そのあたりは慣れないと管理する側も仕事をする側も、どちらも抵抗があってリモートワークを拒否する理由になってしまうような気もします。
自分はもう15 年近く在宅勤務をやっているんですが、もともとの理由は「家庭の事情」で、これを最優先する必要がまずありました。ただ、とは言っても、始めたときには会社の中でも私ともう一人しか在宅勤務者はいないような状態で、これで失敗してしまうとあとに続く人たちにも迷惑がかかることにもなり、だからこそ仕事も実はそれまで以上に真剣に、かつそれまで以上に評価されるように頑張らざるを得ない状態に追い込まれます。与えられた仕事だけでなく、例えば社内のいろいろな行事の幹事をしたり参加者として積極的に参画するとか、あるいは社内論文や特許申請を積極的に提出して行くとか、可能ならば仕事以外の部分でも、実はそれまで以上に頑張ったりして、なんとかそういう仕事のモードが否定されないように結構苦労しました。ちょっと面白かったのは、そんな感じで自分なりにも頑張っていたので、実は私が在宅勤務していることを知らない・気が付かない同僚も多くて、後で「実は」という話をして驚かれたことも。そういう意味では、実際の勤務形態が変わっても、仕事としてシームレスに継続していれば問題ないわけで、その課題をいろいろな事情と幸運もあったけれど最初に克服できたことが、10 何年もこういうモードを続けることが出来た最大の理由でしょうね。
一方で、どうしてもテレワークに向かない職種や会社も存在するわけで、そういうところは無理にリモートとかしなくても、逆に社会がリモートワーク化することで生まれた余剰リソースとか活用して効率化出来れば、それはそれでいいんじゃ無いでしょうか。例えば、リモートワークが進んでオフィススペースが余ってきているけれど、そう言うリソースを上手く見つけて、より環境とか仕事の条件の良い状態になれば、リモートワークせずとも恩恵を受けることが出来ます。そう言うバランスを取ることが一番重要なわけで、余りリモートワーク万歳みたいな話は信用しない方が良いかも(笑)。結局は「T.P.O.」にどれだけあっているかどうか何ですよね。まぁ、そう言う「妥協点」というか、「交差点」みたいな物を見つけて生かすのが一番難しいことは言うまでもない。それを見つけるためには、「リモートワークをすること」よりも、「自分がどう言うスタイルで仕事をすると一番良いのか」という、やはり自分としての主張というか目標が無いとやはり駄目。上から言われたから、というのが一番拙いし失敗することが予定されている気がします。逆に、「こう言う仕事のスタイルが可能なら、自分ならこれだけのことが出来る」という明確な目標があるなら、そこは無理を言ってでも通すくらいの覚悟とやる気があれば、今なら実現可能性も高い気がします。そのチャンスを生かして成長するか、特に何も無くこのままズルズル行くのか、経済状況は厳しいけれど結構チャンスな気がします。
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