2021年1月5日

複合ビジネス

新年に幾つか読んでみた記事で興味を感じた記事の1つが、コンビニの「八百屋化」のこの記事。 昔からの農家や家庭菜園を持っている元農家の家も多い田舎にある家の回りのコンピにでも、記事の写真ほどでは無いけれど、生鮮野菜とか果物(バナナとかリンゴとか)を置いたコーナーを設けているコンピがあるくらいですから、全国的にはこう言う店舗も増えているんでしょうね。どの程度のニーズがあるかは、地域差や人口構成さにも依存すると思うけれど、今後高齢化社会になりこれまで車で移動出来ていた世代が運転出来ない、長距離移動出来なくなり、近所の徒歩圏内のコンビニ利便性を求めるようになるのは自然な流れだと思います。

で、記事の最後で筆者は店舗の多様化と言う事でまとめているんですが、実はコンビニだけじゃ無いんですよね、こう言う傾向は。先日も、自宅近くの薬局(杏林堂)に行ったんですが、大きな駐車場のある大きな店舗の中に入ると、医薬品関係のスペースって10%位なんですよね。残り90%のうち半分くらいは食料品で、残り半分は日用品などの雑貨類。その中には、トイレットペーパーとか消毒薬とか薬局にあっても不思議では無いものの多いけれど、ぱっと見たらその内容は「スーパーマーケット」という方が適切と感じる位なんですよね。「杏林堂薬局」と名乗っているけれど「杏林堂スーパー with薬局コーナー有」という方が正しい気がする。あるいは、やはり自宅近くにあるカインズホームも、流石にこちらはホームセンター系の品揃えが半分近く占めているけれど、それでも食品類も販売しているし、日用品の種類や数も多い。流石に「スーパーマーケット」と言うには少し抵抗があるけれど、10年位前のホームセンターの内容と比較すると、かなり複合化が進んでいることも事実。

いつ頃からこう言う「複合化」が進んできたんだろうと自分なりに思い返してみると、20~30年位前からかなぁ。当時は、やはりそれなりに専門化した店舗が普通で、「〇〇屋」と言えば「□□を売るお店」とある程度一意に決まっていた物。唯一例外なのが、「百貨店・デパート」くらいじゃ無かったかと。そんな、慣例を破ったと自分なりに感じているのは、新宿や池袋のカメラ店が家電製品を扱い始めた頃じゃ無いかという擬化しますね。ヨドバシカメラにビックカメラとかがそうだと思うんですが、今では家電だけじゃ無くて食料品も日用品も、中にはリフォームとかも扱っている。複合化することで、客層拡大にも成るし相乗効果が認められると言う事で、ビジネスモデルとしてはなり立っていると思うんですが、やはり昔の様子とか知っていると未だに違和感を感じることも事実。でも、便利なことは確かなんですよね、ワンストップで必要な物が何時でも購入出来る事は。

お店側にすれば、売上げ拡大にも繋がるだろうけど、その分リスクも増えるわけで、何でもかんでも増やせば良いという物でも無い。特に生鮮食品などは、鮮度勝負だから確実に短期間で売りきれる物・量を仕入れて販売したいけれど、早々上手く行くものでも無い。でも、一度取り扱いを始めたら、駄目だから直ぐに辞めるというわけにもいかないだろうし、難しいだろうなぁという気もしますね。先日の行った杏林堂でも、食材だけで無く、店内に調理スペースがあって、揚げ物などのお惣菜からお弁当の製造とかもやっていて、一寸不思議な気持ちになったし。そう言う印象を持つのは、田舎とは言えそれなりの数の色々な店舗がまだある土地にいるからなのかもしれませんね。もっと田舎だったり過疎地域みたいな土地だと、その地域で唯一のスーパーが何でも屋になって、色々な品物を仕入れて販売しないと、とても野菜はこのお店、お肉はこのお店、魚は... なんていう形で展開は出来ない。そう言う意味では、こう言う複合店舗が増えているというのは、場所的にはそれなりに開けていても、実は見えない過疎化が始まっているのかもしれない。あるいは、そこに住む人の行動半径がどんどん縮まっていって、自分的過疎地域を構築している兆候なのかもしれない。まだ、宅配サービスがあるうちは良いのかもしれないけれど、あと10年とか20年後には、それが当たり前になってしまうのかも。

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