2020年12月29日

「変異種」の印象

英国や南アフリカ等で確認された、新型コロナウイルスの「変異種」が、すでに日本国内でも確認されてニュースやワイドショーの話題の中心になっています。ある番組では、英国での感染状況のグラフを出して、これまでの新型コロナウイルスがどんどん減っていて、変異種が多数を占めつつある状況を見せているんですが、それって当たり前の事では。つまり、自分の生存に適した状態になるために、新型コロナウイルスも変わっていくわけで、だからこそ発生当初も所謂「武漢型」から「欧州型」みたいなものも出てきたわけだし。

その中でも、特に強調されているのが、元々のウイルスに対してこの変異種は感染力が最大で1.7倍になっているという事。素人考えだと、感染力増大=危険度増大、というイメージを持ちがちだけれど、以前聞いた話では感染力が強い場合はより広い範囲に感染させるために、危険度は逆に下がるという傾向があるらしい。だから大丈夫とは言わないけれど、単に「変異種」という言葉に騙されないで、「新型コロナウイルス」としてこれまで通りの基本対策をしていれば、感染も感染拡大も効果的に対策出来るわけだから、その点をもっと情報提供側は言うべきじゃ無いかと。暗に、「変異種」という事で不安を煽る傾向が強い報道は、百害あって一利無しの気がする。

そんな中で、立憲民主党の羽田雄一郎参議院議員が新型コロナウイルスで亡くなった報道が有り、それがたまたまタイミング良く(悪く?)「変異種」のイメージにも重なっている気がします。羽田氏の場合は、糖尿病、高脂血症、高血圧等の基礎疾患が有、それが容体が急変した理由とも思われますが、24日に38.6度の発熱があり、その後PCR検査の予約を入れたものの検査を受ける前に容体が急変して亡くなったとのこと。当然、ご本人としてもそれなりに対策をしていたと思いますが、それでも感染するときには感染してしまうし、何もしなくても大丈夫時には問題無いのが、この種のウイルスの難しいところ。結局は、「正しく恐れ」て対応していくしか無いでしょうね。

「正しく恐れる」という意味では、「変異種」という言葉も不安を煽るような使い方ではなく、コロナウイルスとして普通の変化であり、何か特別な物が突然出現したわけでは無い事をもっとメディアは周知させるべきでしょうね。この件で、日本への入国が全面的に禁止されたけれど、入国時の検査とそれなりの期間の経過観察を義務づける事で、効果的な対策は可能だと思います。ただ、国民感情としてはそれでも不安は感じるだろうけれど。いずれにしても、今年はこれまで以上に静かな年末・年始になって、年明けから陽性者数や重体者数が減少して行くことを祈るだけですね。そして、志半ばで急逝された、羽田氏のご冥福をお祈りします。

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