2020年12月30日

原石の発掘

社会人フットボールのXリーグが、大学の新歓活動を支援するプロジェクトを始めたというプレスリリースなんですが、個人的には中々画期的な事じゃ無いかとこの企画に注目しています。これまでの、社会人と大学との接点というと、フットボールクリニックとか、これから始まるライスボウル位しか思い浮かばないのですが、それだって少し前まではXリーグのチームが個別にクリニックを開催していたりしていて、団体として大学生向けにその手のイベントを開催しだしたのは、つい最近からだと記憶しています。

例えばクリニック開催の場合は、Xリーグのチームとしては自分達のチームのアピールにもなるわけで、そこには有望な選手発掘と勧誘という目的も有るわけです。勿論、安全のため、レベルアップのために、最新の技術や寄り専門的な技術を伝えることは大切だし意味があること。ただ、正直リクルーティング目的という部分も大きかった事も事実だと思うんですよね。ところが今回のプロジェクトは、それよりももっと初期の段階、大学チームの新入生勧誘のための支援をするという、正直凄く回りくどい部分なんだけれど、すごくXリーグとして、やる気と真剣さを感じるプロジェクトじゃないかと思うわけです。

日本でのアメリカンフットボールの競技人口は、高校、大学、社会人含めて2万人位と言われていて、正直「マイナースポーツ」の中でもマイナーな部類。ただし、歴史的には古くて、日本で最初の大学チームと言われている、立教大学、明治大学、早稲田大学にチームが出来たのが1934年。すでに、86年もの歴史がある「古参スポーツ」と言ってもいいんじゃ無いかと。社会人チームも、第二次世界対戦直後(1942年)に発足し、戦後の1947年には「日本フットボール協会」が生まれているので、こちらも70年以上の歴史が。ただ、当初は強豪大学のOBチームが殆どで、そう言う意味では今のように社会人チーム同士の対戦と言うよりは、大学チームの練習相手みたいな感じだったと、昔「TOUCHDOWN」誌の記事で読んだ記憶が(笑)。今のように、社会人チーム同士の対戦が始まったのは、1970年代になってからですよね。

そう言う意味では、自分の知る限りでは、昔は大学チームの方が「格が上」みたいな感じがあり、社会人チームはどちらかというと「OBの道楽」みたいな感じが、1980年代から90年代位まであった気がします。それが、バブルの頃に各企業が「企業スポーツ」に熱を入れだして、ただし野球とかサッカーとかバスケとかパレーボールとか、メジャー競技はすでにマスが埋まっているから、そこは派手で新規参入しやすい「アメリカンフットボール」が注目を集めた時期でもあったんですよね。ただ、その時のリクルーティングで、いろいろ軋轢もあったみたいだけれど... それが、今度は社会人がまずは底辺拡大のために大学チームの新感覚特から支援するというのは、凄く前向きな考え方だと思う。ただし、その成果が出るまではその分時間もかかるわけで、それだけ長期的な視点での活動であることを願うばかり。さらには、著名大学だけで無く、地方大学から日本のトップチームのトッププレイヤーが生まれてくれたら、凄く意味のある活動になるんですが、その為にも息の長い支援が必要ですからね。その為にも、まずは社会人チームが少しでも注目を集める活動や結果を出さないと。

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