2020年12月16日

大豆ミートの焼肉屋

 ITmedia、窪田順生氏のコラムから、大豆ミートが焼き肉店の標準メニューなるかもしれないという記事。私自身「大豆ミート」なる物は食べたことが無いのですが、その見た目はともかく、食感や味などは本物のと遜色ないという話も。ただ、記事には書かれないけれどコメント欄で指摘されているように、日本の大豆自給率は決して高くないはずで、多くは海外から輸入しているはず。豆腐、味噌、醤油と、大豆文化は日本のお家芸の一つだけれど、その原料となる大豆をまずは安定的に確保しないと、「大豆ミート」も画に描いた餅になりそう。

もう一つ思うのは、「焼肉」と一言で言っても、その部位によって色々な種類があるわけで、それら全部を大豆ミートが代替できるわけではないはず。さらには、ホルモンとか骨付き肉とか、まぁ好きな人には変えられない部位も多いわけで、そう言う意味では今の本物の肉の代用というよりは、追加メニューが一つ増えるような感じなのでは。言ってみれば、ご飯に糸こんにゃくのみじん切りを混ぜてかさ増しするように、焼肉も大豆ミートを挟むことで、動物性タンパク質以外のタンパク質も摂取してバランスをするような感じになるんじゃ無いだろうか。

「がんもどき」が「雁の肉もどき」が由来というのは初めて聞いたけれど、荒れは「大豆ミート」と言うよりは、豆腐のアレンジの様な気がするし。でも、練り物から「カニかま」を創り上げた日本人ですから、豆腐素材から様々な「肉食」料理を作る事くらいは朝飯前なんでしょうね。カニかまは、欧米などでは「Fat-Free Crab」とか「Imitation Crab」とか呼ばれて、健康食品として存在しているように、大豆ミートも異なる食感や見た目の肉繊維みたいなものを何層も重ね合わせて、例えば「大豆ミートタン」とか「大豆ミートサーロイン」とか「大豆ミートハラミ」とか、そう言うものも可能なるかも。油部分をどれだけ真面目に再現するかだけれど、そこは祝物制の油に乳化剤みたいなものを混ぜて、ラードとか牛脂みたいな感じのものって作れそうな気がする。

記事の中では、今後肉食の需要が増えて製造コストが上がり、大豆ミートが中心になるかもと言う言い方をしているけれど、となると日本国内でどれだけ自給できるかが日本国内での普及にも影響するのでは。今では、トウモロコシなどの家畜飼料は、殆ど輸入に頼っているけれど、大豆だってそんなに違わないと思う。そう言えば、大豆から作られる豆乳を利用して、チーズ等の「代替乳製品」を作っている会社の話を、暫く前に「ガイアの夜明け」で見ましたが、そう言う方向にも将来性が大きいのかも。素人考えだと、どうしても「菜食主義者対応」みたいな感じを先ず受けますが、健康面とかコストの事も考えると、将来的には「食肉」とは別のカテゴリーの食材に化けるかも。そう言う意味で、余り焼肉に拘る必要も無いのかも。まずは、とっかかりとしては良いと思うんですよけどね。そればかり強調すると、結局は「肉の代用」というイメージが強すぎて、よほどの事が無い限り試してみて貰えない気がします。それこそ、霜降り肉から赤身肉へ興味が移った、「第2のヘルシーミート」とか、「ローファットミート」みたいなカテゴリに化けたら面白いかも。

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