2020年11月16日

会話のスタートライン

たまたま見つけた「しんざき」氏の記事から、もう一つ面白そうな話題。お父さん(=しんざき氏)と、三人のお子さんとの会話で、中学生の長男君は会話を始めるときに前提情報を入れてから本題にはいるけれど、小学三年生の双子のお嬢さん達は、いきなり本題から会話を始めるので、お父さんとしては「何それ?」状態になることが多いという話。これ、SNSでのやり取りは勿論、仕事でのミーティングでも良く有る話で、「うんうん」と思わず、膝ポンしてしまいました(笑)。

私がSNSというか、当時のパソコン通信を始めた頃は、ユーザー自体それなりにアクセスしたりツールを使うスキルが要求されていたし、会話する「場所」も会議室とかテーマや話題毎に準備されたスペースを利用しますから、自ずと参加者もそれなりに共通認識や理解を持っているから、そう言う場合は本題から始まっても多くの場合は問題無いわけです。でも、不特定多数が参加している今のSNSでは、Facebook等の様に閲覧制限が出来ればまだしも、Publicで一般公開しているような場合は、それこそ見ず知らずの背景も知らない人から、いきなり突っ込みが入ってきたりして困惑するわけです。しかもtwitter何かは文字数制限もあるから、仮に前提条件とか書き出すと本文に行き着く前に終わってしまう。仕方なく、連続したtweetにすると、途中のtweetからいきなり反応してきて、勝手に炎上する場合も。

結構以前の話になりますが、仕事で顧客対応、所謂「コールセンター」の仕事もちょっと関わったことがあり、実際に製品に対してのクレームや使い方の質問などの「生の声」を聞いて、対応した経験があります。製品を出す前には、例えばマニュアルとか技術情報とか、必要と思われる情報を検証して提供するんですが、まぁそう言うものから見事に外れた「想定外」の問合せが多いこと。特に当時感じたのは、電話をしてくるお客様は「電話の相手は、私が困っている状況や内容を理解している」と思い込んでいること。だから、こちらから状況や問題確認のために質問をすると、「だから、動かないと言ってるじゃ無いの(こちらは、それを特定するために操作手順とか関係しそうな部分を確認したいのですが)」とけんもほろろな場合が多い。半分笑い話みたいな事ですが、「スイッチを入れても動かない」という現象の場合、結構な確率でACアダプターが接続されていなかったり、コンセントに挿入されていない場合があります。この時に「ACアダプターは挿入されていますか? コンセントに挿入していますか?」と確認の質問をすると、ほぼ100%近い確率で「馬鹿にするな」という反応が返ってきます。で、どう対応するかと言えば、「一度、ACアダプター/コンセントからコードを外して、再度挿入し直していただけますか」とお願いすると、殆どの「動かない」問題が解決します。お客様としても、自分の勘違いを詫びられる場合もありますが、多くの場合は「あぁ、解決した」でクローズとなります。どう言う状況で、何が確認されていて、何が不明なのか、という前提条件というか共通認識というのは、どんな場合でも重要だし、少なくと会話を含めた情報交換では必須だと思いますね。

これ、仕事で一つのプロジェクトを進めているチーム内でも起きうる話で、最近ではチーム内でも分業制・専門制に分かれて仕事をしているので、いざ集まって進捗状況の確認をしてみると、他のチームの内容が分からない場合も。かといって、位置からいちいち説明していても時間が掛かるだけで非効率なので、結果的に自分の担当分野以外にも関係しそうな他のチームの状況確認とかもしておかないと、中々スムースに仕事が進みません。あるいは、偉い人の決済が必要な場合とかも、いきなり「これこれの状況なので承認を」と言っても、相手はそれ以外の仕事も忙しい立場なので簡単にはいかない。それなりに状況要約や、想定される問題やリスクの対策とか、事前に準備しておかないと、その時間内で判断出来ずに持ち越しになる事も。それを「段取り」と言っても良いかもしれませんが、やはり出来る人、能力のある人は、そういう部分に手を抜かないし、仮に突発的な質問や問題が発生した場合にも、臨機応変に対応出来る能力を身につけているなと、自分の周りを見ても感じます。記事の中では、そう言う「気持ちいいコミュニケーション」をお子さんに経験を積み重ねて欲しいとまとめられていますが、それは社会人になっても同じだし、仕事だけで無く近所づきあい、友人家系、趣味の世界、全てに当てはまる話。自分が話をする側であっても、話を菊川であっても、先ずスタートした時に「これは共通認識がずれているのでは」という時には、そっと軌道修正というかリスタート出来るくらいの能力も、これからは必要になってきています。そのあたりの「会話スキル」というか「コミュニケーションスキル」なるものは、今のネット時代の副作用というか新しい必須能力なんでしょうね。

0 件のコメント:

コメントを投稿