2020年11月6日

子宮頸がんワクチン

朝日新聞が掲載した、 子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)接種が事実上7年前に停止されたことで、今後子宮頸がん患者が約17,000人、死亡者が約4000人増えるという統計を、大阪大学などのグループがまとめたという記事。その中で、

2013年4月から小学6年~高校1年の女子を対象に国の定期接種となり、市町村が個別に通知して接種を呼びかける「積極的勧奨」になった。しかし、健康被害を訴える人が相次ぎ、同年6月に定期接種のまま勧奨を中止した。

と書いているんですが、その「定期接種の勧奨を中止した」切掛となったのが、朝日新聞の記事であると論文の中で指摘されていることは書いていない。 私がこの話を最初に観たのは、Nathan (ねーさん)さんがnoteで紹介している、こちらの論文から。論文に寄れば、2013年3月8日に朝日新聞に掲載されたHPVワクチンの副反応やリスクを喧伝したものが「発端」であるとの事。この後、HPVワクチンによる副反応に関しての記事が、他紙も追随して掲載紙大きな騒動になるのですが、何故か発端の朝日新聞の記事は一月後には削除されてしまいます。で、素朴な疑問として、幾らメディア(新聞だけ無く、多分テレビなどでも盛んに取り上げられた)で副反応や障害について取り上げていたとしても、肝心の厚労省が正しい情報を出していけば、そう言う誤解や本当に副反応による物なのか、多少時間は掛かっても判断出来るんじゃ無いかと普通は思うわけで。

その疑問を、当時の担当者に直接取材した記事がこちらで、ジャーナリストの岩永直子氏がかなり突っ込んだ話もしています。一方で、当時の担当者の庄林督章氏は、実に冷めた印象の回答をしていて、その理由は当時のメディア・マスコミ報道の反響の大きさを理由しています。この記事の公開された日付けが2019年7月26日ですから、それから1年半近く過ぎてやっとある意味「当事者」である朝日新聞がHPVワクチン未接種の危険性に関してやっと腰を上げたかのかなと思える一方で、多少なりとも自分達の事を取り上げずに居るのは不公平というか、言葉きついのですが卑怯な印象もうけます。

今回関連情報を探していたら、今年の初めに医師の峰宗太郎氏氏がこんな記事を公開されていたんですね。ここでも、事実上の接種中止になったことに関して、メディアの責任を主張していますが、やはりメディアの責任8割に、厚労省としてもそれに対して科学的な反論をもっと積極的にしなかった責任2割という感じかな。ただ、最近でも森友学園問題とか日本学術会議任命問題とか、ひとたび野党やメディア(切掛は、メディアと言っても週刊誌が殆どだけれど)が取り上げて、政府批判のネタになると、その行動は常道を逸した様そうになりますからね。7年前のメディアの騒動がどんな具合だったか私は記憶に無いのですが、今ほどネットでの検証活動も盛んでは無かっただろうから、ある意味メディア報道の一方的なやりたい放題に近い状態だったんじゃ無いかと。で、メディアを批判するような発言が出てくると「報道の自由侵害」という錦の御旗で反対してくるわけてずよね。よく「〇〇の自由」と言うのだけれど、「自由」という言葉は、全くなフリーハンドを意味しているわけでは無い事は明らかで、そこには秩序とルールが有った上で、その中では自由に、仮にその内容に反対する人が居るとしても、その人が自由に発言したり公開する権利を言っているもの。決して乱用するものではないものですが、最近は「自由」も手軽にお安く利用されていますからね。まぁ、朝日新聞のこれまでの対応には大いに不満は感じるものの、どう言う意図かは不明だけれど自ら危険性を今回示したという点については、少しは評価して良いのかもしれない。ただ、余りに遅いとは思うけれど。

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