2020年11月29日

お茶で新型コロナ無害化

ちょっと誤解を招くんじゃ無いかという記事。奈良県立医科大学が、新型コロナウイルスが市販のお茶で無害化する効果を確認したという話。市販のペットボトル入りの緑茶や紅茶約10品目を使用して、試験管内でウイルスとお茶を混ぜて、経過時間毎にウイルスの量を測定したとのこと。その結果、茶葉から淹れた紅茶が一番効果があって、1分で1/100に、10分で1/1000以下になるという話。

茶葉に含まれるカテキンが、コロナウイルスの突起状のタンパク質に付着して、感染力を無くすことが確認されていて、同様の効果が新型コロナウイルスにもあると推測されるという事なんですが、ちょっと色々疑問が。

  1. 紅茶が一番効果的とのことですが、となると「カテキン」って茶葉を発酵させるときに変化するんじゃ無かったかな。つまり、緑茶と紅茶では、種類や効果が違うかも

    で、ちょっと調べてみたら、実は2年程前にインフルエンザウイルスに対しての効果が検証されている記事を発見。こちらは10秒でウイルスの99.99%を無力化したという結果に。さらに、紅茶 > 烏龍茶 > 緑茶と効果は減って行くみたいなので、茶葉の発酵過程で生成される「紅茶ポリフェノール(テアフラビン)」がこの機能を持っているんでしょうね
  2. 日本人は緑茶をよく飲むけれど、それと同じかそれ以上に英国では紅茶が飲まれているはず。でも、英国の新型コロナウイルス感染状況は、日本を遙に超えています。となると、日本のペットボトルの紅茶は特別なのか?

    で、記事の最後に説明があるんですが、ミルクティーは効果が無くなるらしい。レモンは逆に抗ウイルス活性が高まり、砂糖も殆ど影響しない、と。英国の紅茶文化は、多分ミルクティーが多いのかもしれない。
  3. じゃぁ、紅茶を飲めば新型コロナウイルスに罹患しないかというとそうでは無く、ウイルスが感染して肺の中とかに入ってしまえば、幾ら紅茶を飲んでも効果は無い。効果があるのは、罹患して居る人が紅茶でうがいなどをして喉を除菌した状態にすることで、そこからの呼気やクシャミなどで伝染することを防ぐと言うこと。結局は、これまで言われている「うがい、手洗い、マスク」と殆ど変わらないのでは。
奈良県立医科大学のHPを見ても、まだこの件に関しての情報は掲載されていないのですが、今回検証作業をした、「微生物感染症学講座・矢野寿一教授」という方は、これまでも新型コロナウイルス関係の検証作業を、色々やってきた人らしい。そうなると今回の件も、既にインフルエンザウイルスに効果があると分かっていた紅茶や烏龍茶の効果を検証するように、飲料メーカーなどからの委託研究(委託検証)だったのかもしれない。そういう部分は、割り引いて考える必要は有るでしょうね。そう言う意味では、例えば紅茶をサービスで出すから、うちの店舗は新型コロナウイルスに対して安全です、みたいな間違った(過剰な誤解?)認識で、一番必要な「うがい、手洗い、マスクで三密も回避」という部分が疎かになる事の方が心配。そういう所も、このニュースを取り上げるメディアはちゃんと説明するべきだと思うけれど、でも、結局は面白可笑しく取り上げて終わりなんだろうな。

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