東日本大震災で被災し、その後運転停止状態になっていた、福島第一、福島第二、女川の原発のうち、女川原発2号機の再稼働に向けて、いよいよ具体的に動き出すというニュース。村井宮城県知事は、東日本大震災当時も知事職だったわけで、被災当時の知事が原発再稼働に同意するというのは、処理水問題と同じくらい大きな進展と言っていいんじゃ無いだろうか。
女川原発は、福島第一・第二よりも震源地に近く、かつ福島第一同様13m超の津波にも襲われたけれど、実質被害は無いに等しく、福島第一が手段を喪失して現状になった事や、福島第二にしてもたまたま一台給水ポンプが使用出来たので、冷却できた幸運から第一のような事故は回避できたのとは印象的です。後日、色々な調査検証結果から、女川原発を運用する東北電力が、過去の津波履歴や安全係数を十分に考慮して、何十もの対策を施していたからこその結果という事がわかり、東京電力との違いが浮き彫りにされたこともありましたね。ただ、「原発」というひとくくりにされてしまい、結局は良い部分は認められず、悪いところだけは福島第一と同一視されて、結局ここまでこぎ着けるのに10年掛かったわけですからね。
私も、震災から2年後にこんな記事を当時投稿していて、復興も重要だけれど、原因究明を進めて経済対策のためにも早期の再稼働が必要じゃ無いかと書いていますが、当時も「まぁ10年位掛かるだろう」と思ってはいたものの、本当にそんな状況になりました。まぁ、実際被害が無かったから再稼働しますとは言えないような大災害だったし、流石にあれだけの事故が福島第一で発生してしまうと、それに対しての対策無しでの再稼働はとても無理でしょうし。ただ、あまりに「羮に懲りて膾を吹く」状態になっていたことも事実じゃ無いかと思います。女川も、実際には当時の設備で大災害を乗り切ったわけですから、本来ならそこに追加で必要と思われる部分を補強して、もっと早期に再稼働することも可能だったはずなんですけどね。まぁ、単純には物事は進まないという事でしょうね。
実際に運転再開となるのは、まだ2年位先のようですが、そうなると福島第一の処理水の海中放出の時期とも重なりますね。偶然なんだろうけど、それはそれで何か利用してまた風評被害とかまき散らすような輩も出てきそう。そう言うものに対しては、今後はもっと毅然とした対応をするべきだろうなぁ。処理水問題だって、やたらとトリチウムを「放射能」みたいな言い方・扱い方をメディアですらするし、それを科学的に反論すると、「風評被害が」とか「住民の気持ちが」とか、感情論に転換する。確かに、地元の考えや気持ちを無視することは出来ないけれど、だから取ってそのままずっと永遠に残せる話でも無いわけで、そこは政府がちゃんと決断して、後は責任を取る、と言う姿勢を示すしか無いでしょうね。何れにして、これで東日本大震災の問題の一つが解決出来ることになるわけで、それはうれしい事。ただ、まだまだ解かなければならない課題や問題は無数に残っているわけで、まだまだ先は長いと再認識もするニュースですね。
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