2020年11月12日

運転免許証のデジタル化

 加藤官房長官が会見で発言し、昨日ちょっとしたトレンドになった「運転免許証のデジタル化(=スマホ内蔵化)」。個人的には、利便性に繋がると思うので、マイナンバーカードとの統一も含めて早々に対応して欲しいところなんですが、やはり色々課題はありそう。

まずは、運転免許証をどの様に「デジタル化」するのか。一番簡単なのは、既に多くのスマホに内蔵されている、NFC/FeliCaの技術を利用して行くことですが、その場合FeliCa対応よりはNFC対応にしてくれないと、いろいろまずいかなと。例えば、海外旅行に出かけたときに、レンタカーを借りるためだけに現在のようなカードの免許証を持参するなんて言うことは辞めたい。また、それ故に国際免許証をわざわざ申請して持参するのも勘弁して欲しい。デジタル化するからには、世界共通のプラットフォームで、そのまま他国でも利用出来るようなものにして欲しいですよね。一番手っ取り早いのは、既に決済手段に利用されているApple PayやGoogle Payの一機能として利用出来ることだけれど、流石にそれはどうだろうか。このあたり詳しくないので、内部のデータフォーマットとかセキュリティ的に十分なのか不明だけれど、でも運転免許証だって個別に認識する部分は、顔写真と免許番号だけで、大元は警察のDBに入っている訳だから、番号と属性(免許の種類とか制限事項とか)が分かれば、それがカードなのかデジタルデータなのか、そんなに問題にもならなそうな気が。

NFC非対応スマホや携帯電話の場合はどうするのか。携帯電話は流石に無理だと思うけれど、AndroidやiPhoneの非NFC機でも某かの対策は可能なのだろうか。例えば、スマホ内部には自分の運転免許証の番号データを暗号化して入れておき、参照するときにはデータ通信で本部のDBからデータをダウンロードしてワンタイムのQRコードを生成させて、それを警察が検証ソフトで確認して整合性を見る、位は出来そう。ただし、通信環境が前提になるから、山奥でスピード違反で捕まったら駄目とか。でも、それならそれで、警察車両の無線経由でレピーターみたいな機能を持たせても良いかもしれない(笑)。どれだけの信頼性やセキュリティレベルを要求するかにも寄るけれど、まぁ出来ない事は無さそう。

課題は、そうやって一つのデバイスに重要情報を集中させたときに、例えば紛失したときにどう対応するのか、またスマホが故障したときとか変更した時のデータ移行作業をどうするのか、そのあたりもちゃんとしないと、やはり躊躇します。スマホ統合賛成派の自分でも、実際に使い出すためにはそのあたりの手続きとか手間の度合いがどの程度なのかが判断基準になると思います。理想的なのは、そう言うデータを何処かに保存できて、再認証みたいな形でダウンロード出来るのが一番良いのだけれど、例えばAndroidからAppleに変わる場合にはアプリも変わるから、そう簡単にできるかどうかは分からない。克服すべきハードルが高いと言うよりも、ハードルの数が沢山ありすぎるのが問題の様な気がする。でも、何とか数年後くらいまでには実現して欲しいですよねぇ。その時には、少なくともアメリカのシステムとの互換性と国際免許証の代替手段になるくらいにしてほしい。少なくとも「国際免許証」の代替手段としてなら、免許証の内容が各国語に翻訳されて、後は有効期間を表示出来れば良いだけのはずだから、それはスマホのアプリ経由で申請して承認までも可能じゃ無いだろうか。攻めて、それ位は実現して欲しい。

0 件のコメント:

コメントを投稿