2020年10月19日

Fact Check

日本学術会議関連で、ここ最近話題になっている「Fact Check」。以前から言われている言葉ですが、ある報道に関して、その内容が正しいのか間違いが含まれているのか、その発信者とは別の第三者が内容を検証する事。日本でも、Fact CheckのNPO法人FIJ (Fact-check Initiative Japan)が活動をしていて、過去の検証事例なども掲載されています。ただその内容を見ていると、何かちぐはぐな印象を受けるんですよね。確かにFact Check活動はしているんだろうけど、本当に検証すべき所を見ていないような。

"Fact Check"では無いけれど、放送事業に関してはBPO (Broadcasting Ethics & Program Improvement Organization/放送倫理・番組向上機構)が存在していて、番組内容に関して検証をしていますが、その活動はFact Checkの様な真偽性を検証するのでは無く、その内容に対してのクレーム・批判・意見に関して適切かどうか検証する物で、ちょっと性格が異なります。言い方は悪いかもしれないけれど、視聴者からのクレーム対策対応の為の組織みたいな感じ。さらに、最近何かのBPO見解の話を聞いた時に、「何か、甘いなぁ」と感じましたが、BPOにはメディア関係者・組織も関わっているわけで、これも言い方は悪いけれど身びいきはあるように思うし、少なくともそう言う誤解は招くと思います。だからかどうか分からないけれど、本当に検証されるべき大きな問題は取り上げられず、何か検証結果として丁度良いサンプルみたいな事例が取り上げられることが多い気がします。

で、Fact Checkに戻ると、本来「事実報道」するべきメディア(放送、新聞、雑誌、それら関連するネット(SNS))が、「真実報道」とバイアスが掛かった内容を提供していることで、事実と異なる内容や誤解を招く情報提供者になっている事が問題の本質。少なくない事例で、そう言う内容が「事実」として広まってしまい、例えば福島第一関係の風評被害はその最たるものだし、モリカケ関連報道何かもそうだと思う。結果、本来は全く問題ないか影響しないような内容が、恰も社会的な大問題として報道され、それによって多くの無駄なエネルギーが今も消費されているわけで、その罪は大きい思います。今現在、メディアが配信した情報に関して、SNSでそれぞれ検証されているのだけれど、誤りがあってもそれが伝わる範囲は少ないか限定されていて、結局は間違った内容誤解を招く内容の元のメディア記事・番組だけが、正しい物として拡散してしまう。そう言う意味で、FIJと言う組織は既にあるのだけれど、もっとフットワークの軽い検証組織みたいなものが出来ないだろうか。

例えば、Wikiの様なDBがあって、そこに検証されるべき元記事が登録されると、ネットの有志がそれぞれの方法で検証して意見や結果を書き込んでいく。その編集工程も全てネットでオープンにして、例えば三日以内にそれぞれの検証結果なり結論なりを登録する。それらをまとめた結果としては、Fact Checkとしての確度(0%=完全にデマ・嘘から100%=完全に事実)までの値を設定して完結する、と。編集権をフリーにすると収拾が付かなくなるから、予め編集権を持ちたい参加者を登録しておいて、その中から例えば10名とか20名とかランダムに選択するとか、希望制で参加登録して活動するようにすれば、それなりの質が担保出来ると思うんですよね。で、その登録者は日頃の自分のネット活動が分かるようにもしておく(自分のSNS等分かるようにしておく)。そうすれば、こう言う傾向の人がああいう結論を出すから信憑性があるとか、その逆も判断出来るわけですし。活動を全てネット上で完結することで、費用も抑えられるでしょう。ただ、登録者が情報収集のために、例えば現地に出かけるとか、有料資料が必要とか、そう言う個別のコストをどうするかは課題だけれど。色々課題や問題はあるのだけれど、少なくとも、とあるメディア発信情報を、系列とも言える別メディアがFact Checkして、複数の状況を含む内容に関して「一つ事例があるから問題ない」と言うような茶番だけは止めて欲しい。

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