2020年10月5日

メディアの品格

東京新聞の社会部記者(40代男性)が、厚生労働省の職員を暴力的な取材活動をして、職員に心理的負担を掛けたという「事件」に関しての、東京新聞の謝罪記事。これ、一般企業相手に行ったら犯罪行為ですよね。しかも、記事の中では「取材」「取材時間」と書いているけれど、「大声を出して机を叩いたり、職員の資料を一時的に奪う」事が、「取材行為」と彼らは思っているんだろうか。

記事の中では、そう言う行為を3時間45分、約4時間近くも行っていたと書いているんだけれど、どうしたらそんなに長時間省内の中で傍若無人な態度が取れるんだろうか。厚労省側も「編集局に抗議があった。」と書かれているけれど、後から抗議したの? その場で対応しなかったんだろうか。普通なら警察を呼ぶとか、セキュリティが対応すると思うんだけれど、それもしなかったのか出来なかったのか。まぁ、相手がメディアでは、下手に対応するとそれを材料に有ること無いこと書かれますしね。でも、それで泣き寝入りしていたら仕事は進まないし、逆にますますメディアを増長させることになるだけだし。それでも、東京新聞の瀉剤を引き出して、新聞にも掲載させたのは、よほど酷いことをやって、東京新聞側がぐうの音も出ないくらいに証拠(録画とか)が突きつけられたんだろうなぁ。じゃ無きゃ、「厚労省から講義を受けたが、弊社としては通常の取材範囲内の行動だと理解して居ます」くらいで終わるだろうし。

この件に関しての東京新聞編集局の対応は、「加古陽治編集局次長」がコメントを出しているんだけれど、それって立場上低すぎないの? 編集局長とか、役員クラスが正式に謝罪するべき行為じゃ無いだろうか。しかも、その記者に対しての処罰は、取材から外しただけ。厚労省担当から外したのか、外回りから外したのか、社会部から外したのか、それすら分からない。再発防止を徹底します、と書いているけれど、どう言う対策をどの様に徹底するのか書いていない。少なくとも、「全記者に、再度コンプライアンス教育を行います」とか「取材活動には必ず二人一組で行い、今回の様な場合には他方の記者が制御できるようにします」とか、ちゃんと説明するべきでは。仮に、この件が立場が逆だった場合、東京新聞は厚労省の部局次長くらいの人が「担当者は現担当から外し、厳しく対処し、再発防止を徹底します」というコメントで納得するんだろうか。で、その記者の名前もデイリー身長が実名報道していて、しかも労働問題を扱っていた有名記者らしい。まぁ、世の中ってそんなもんですよね。一番身近だと思っていた存在が、実は一番危険な存在であるなんて言う事は。

メディアの人達は「メディアは第四の権力」と言うけれど、これこそ彼らが日頃言っている「権力の乱用」ですよね。国会議員や裁判官は、罷免制度や選挙制度があって、少なくとも国民の声は大なり小なり届くけれど、「第四の権力」のメディアに対しては、国民が何を言おうが届かない。私は、東京新聞社を厚生労働省に何ヶ月か出禁にしても良いんじゃ無いかと思う。「この程度の事で」というのではなく、自ら権力を謳うのであれば、より厳しく律する事が要求されるわけだし、それを前提に彼らも取材なりジャーナリズム活動を進めるべきだと思う。結局は、メディアなるものがどんどん先鋭化していて、しかも本来伝えるべき「事実」ではなく、自らが信じる「真実」を伝えることが正しいと思っているから、どんどんベクトルが反れている。反れでも、自分達は間違っていないと信じ切っているから手に負えない。そして、結局は自分達の力を過信して、力で解決しようとする一つの例が今回の事件じゃ無いだろうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿