2020年9月27日

マイクロLEDのシャープ

 一時の破綻から順調に復活している印象のシャープ。そのシャープが、以前は結果的にお荷物になってしまったディスプレー事業を分社化して「シャープディスプレイテクノロジー(SDTC)」として発足するという記事。その為の秘策は、次世代ディスプレーと期待される「マイクロLED(MLED)」。

既存の液晶ディスプレーは、RGBの色を透過させるフィルターの役割を液晶がしているだけなので、ベット背面に「発光体」が必要。初期の頃は蛍光管を利用していたけれど、最近は白色LEDを使用するのが普通。ただし、その分消費電力は増えるし、画面の場所によっては色むらや輝度むらが発生するし、パネルの厚みも増える。その対策として登場したのが「有機EL(OEL)」あるいは「有機発光ダイオード(OLED)」と呼ばれるもので、RGBの素子が自ら発光するから、バックライト不要で消費電力とパネルの厚みが薄くなるメリットが。ただ、有機素子を使うために製造工程が複雑化してそれ故にコスト高になるのが問題で、日本勢は諦めたけれど、韓国勢は資本投入を続けて、今の市場を席巻することに。確かに、最近よく見るOLEDの大型テレビは、輝度も十分で綺麗なんですが、確か発熱量も結構あった気がするんですよね。

今回のMLEDは、RGB事態を発行する素子で構成して、OLEDのような有機素材を使わずに同等以上の性能を発揮させるもの。微細加工が必要になるし、技術的にハードルは高いことは伺えるし、さらにはコストも高くなりそう。コストアップは大量生産で解決していくしか無いけれど、技術的な部分はどうなんだろうか。シャープとしても、それなりに勝算があるから今回の様に分社化して、かつ外販して量産コストを下げられるように考えているのだと思うのですが。国産メーカーではSONYも作って居るみたいですが、もしかしたら将来的にはSHARP-SONY連合みたいな事にも繋がるのかも。

最近のテレビ番組では、まだまだリモート出演が多く、大画面の高精細パネルを立てて、リモート出演者を表示しているケースが多く見られます。一昔前だと、多分あそこまで使用に耐えられる表示品質のパネルは殆ど無かったと思うし、まずはコストの面で何枚も準備することは無理だったと思う。今後、コロナ禍終焉以降も、ああいうスタイルは結構残るんじゃ無いかと思っているので、需用開拓は以前よりも将来性はありそうな気がします。デジタルサイネージの分野も有望な市場だろうし。価格次第ではあるけれど、8Kの70インチとか80インチパネル何かだったら、自宅に設置して情報パネルとして映像やPCの画面を表示させてもいいだろうし。まだどうなるか分からないけれど、シャープの復活にはちょっと期待したいですね。

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