2020年9月28日

メディアの裏付け

 自民党の性暴力に関する会議の中で、杉田水脈衆議院議員が「女性はいくらでも嘘をつける」と発言したという話。各メディア記事では、「複数の会議参加者が認めている」と、その発言は事実として報じているけれど、ご本人は否定。しかし、大手メディアの記事となり、彼女がそう言う発言をしたと言う事が「事実」として広く流布されてしまう状態に。

正直なところ、過去にも色々な発言のあった人なので「然もありなん」という思いはあるけれど、取り上げているメディアにしても「参加している議員の証言」と、匿名の発言でしか拾っていない。本来なら、議事録とかその場面の録音録画などから実際の発言を確認してから記事にするべきだと思うのに、それも無い。例えば、杉田氏自身が「似たようなこう言う事は言ったが『女性はいくらでも嘘をつける』とは言っていない」とでも言うならまだしも、完全に発言否定をしている以上、記事にしたメディアとしては確固たる証拠を見せないと「メディア」としての役割を果たしているとは言えない。仮に杉田氏が「女性も嘘をつく場合は有るし、そう言う事例は過去幾らでもある」と言ったことを「女性はいくらでも嘘をつける」と、参加者なりメディアが丸めた可能性は無いのだろうか。

勿論、性暴力に関しては男性から女性に対しての行為の方が多いし問題だと思うから、その対策は必要。警察の介入や支援も必要でしょう。ただ、過去の事例を観ると、例えば電車内の痴漢行為に関して、冤罪として裁判で証明されたこともあるし、それが女性側の勘違いではなくわざとそう言う場面を作ったケースもあったはず。そこは、被害者としての女性の立場は最優先するとしても、加害者側の人権も守らなきゃいけない。そう言う微妙な問題だと思うのだけれど、言ったかどうかも確実な証拠も無い話が大きく取り上げられるのは本末転倒なのでは。

ネットでも指摘があるけれど、仮にこの発言が事実で無かった場合、結局はメディアが誤報を広く拡散し、それによって一般の人達が誤解の元に行動に出て、実は罪も無い人を糾弾するという、それこそ昔にあったような話をそのまま実現している気がします。勿論、腐っても鯛、大手メディアなら100%の嘘は言わないだろうけれど(いゃ、言ったこともあったか)、それでも真偽不明な情報を記事として公開することは、それが間違っていた場合誤解を含む場合は問題だし、それによって何か被害が発生すれば犯罪行為と言ってもいいかも。今はネットがあるから、そう言う裏付けを調べるなり疑問を呈することも出来るけれど、良く話題になる関東大震災の時代は、メディアと言えば新聞しか無い時代だったわけで、そのメディアが煽った結果が、朝鮮人虐殺というデマに繋がったと言う事を、とうのメディアはもっと真剣に考えて肝に銘じるべきだと思うけれど、今のメディア記者やジャーナリストの多くは、単なる「聞き書き」くらいしかしないですからね。杉田議員の発言の真意も含めて、その内容に延髄反射する前に、先ずはその発言をしたことが事実なのか、その内容はどうなのか、まずは冷静に見極めることが必要だと思う。

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