でも、最大の違和感は、食卓に座るスーツ姿の夫の脇で、立ったまま両手を前に組んで控える妻の姿。まるで1975年に炎上したCM『私作る人、ボク食べる人』を地でいくような写真だ。と書いているので、ご本人も「昭和感」なるものを強く感じている、主張していることは確か。 ただ、1975年(昭和50年)は今から45年前の事であり、写真で見る限り筆者はその頃にはまだ生まれてもいなかったように思われます。実際Google先生に聞いたところ、2005年に毎日新聞社に入社しているので1980年前半のお生まれくらいだろうか。まぁ、私くらいの年齢ならこのハウス食品のCMやその後の顛末はよく記憶しているけれど、彼女はどう言う経緯でこのCMの事を知ったんだろうか。ジェンダー問題、男尊女卑の典型例として、ある意味象徴的な出来事だったけれど、今の人がそんなに詳しく覚えているような話では今では無いし、別の言い方をすればそう言う方面に興味が深い、造詣が深い人なのかなと言うのが私の感想。
そう言う前提で再度記事を読んでいくと、
一瞬、言葉にできない違和感を覚え、指が止まった。という言葉にも何となく納得出来る気が。 一枚の写真には、様々な情報が写り込んでいるけれど、逆に一枚の写真をどの様にも解釈することも出来るわけで、その時にはその人の背景とか経験が大きく影響するもの。ご本人は、決して岸田氏に批判的では無いけれど、この写真に関しては許せないらしい。ご自身のtwitterでは、奥様が立ったまま食事をしようとしている岸田氏に不満を感じるらしく、例えば二人座った写真なら問題なようなことも自身のtwitterには書かれている。岸田氏に対して格別の批判や不満は無いし夫婦の多様性も認めるけれど、こういうハウス食品のCMのような場面を、何のためらいも無く「良い夫婦の典型」として公開してしまう事に我慢がならないらしい。
筆者がご存じかどうか分からないけれど、数日前にテレビで岸田氏の特集みたいな物があり、奥様は日頃は地元の広島で支持者に対応しつつ、岸田氏と二人のお子さんが議員宿舎で生活しているとのこと。食事などは、秘書代わりの大学生の息子さんが作るけれど、洗い物などは岸田氏自らする様子等も放送されていました。そんな生活の中で、今回の立候補の支援のために久しぶりに奥様の手料理に舌鼓を打つ、と言う構図なんだと思うのですが、そこに彼女のような「差別感」を感じる余地は私にはないなぁ。食事時なのにマスクをしていたり、ミツカンの味ぽんがあるのが気に食わないらしいけれど、この時は宿舎からメディアにリモート出演をしていたようなので、スーツ姿やマスクを着用して居ることに不思議は無いし、その出演が終わった直後の写真なら、スマホで支援者に挨拶などしてだろう様子にも不思議は無い。そう言う背景を知らなくても、例えば奥様が岸田氏の隣に座っていても、エプロン姿のままだったら、やはり筆者は「ジェンダーギャップだ」と批判するんじゃ無いだろうか。
例えば、安倍総理夫人の昭恵氏は、国会でも問題として取り上げられるほど自由奔放に色々なことに参加したり、場合によっては安倍総理とは反対意見の人達とも付き合いがあるけれど、それに関して筆者はどう感じているんだろうか。安倍総理とは文字通り独立して活動している昭恵夫人は、まさにジェンダーギャップに関してはお手本みたいな存在だと思うのだけれど、そんな話は聞いた記憶も無いし。最後には、ジェンダーギャップ指数(GGI)が153ヶ国中121位の日本だから、次の総理に立候補する人が無意識にこう言う写真を公開することが問題だと締めくくります。確かに日本のGGIは低いランクにあるんですが、その他の指数に関してはそんなに悪くない。以前聞いた記憶では、相対的に日本の男女共同参画に関しての値はそんなに悪くないのだけれど、企業や政治への女性参加が少ないことがGGI順位を下げているというようなことを聞いた記憶があります。女性の社会進出を支援することは大切だと思う半面、それを希望しない女性も多いだろうとも思うわけです。結局は、「多様性を認めて支援する」ことが重要であって、たまたま撮影された一枚のスナップ写真から自分は体験していないであろう「昭和感」を感じてジェンダーギャップに繋げるのは、ちょっと飛躍を感じる内容だなと思いますね。
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