2020年9月5日

国民の声

立憲民主党と国民民主党が合流して出来る新党の党首戦に、国民民主党の泉健太議員に続いて立候補を表明した、枝野幸男立憲民主党代表。まぁ、記事に書かれていることが全てなんだけれど、この合流話が始まったのは、昨年末から。年明けの状況で支給される政党助成金獲得のために、最初は昨年内での合流を考えていたわけだけれど、結局まとまらず年越しに。その後も話しあいは続いたんだろうけど、まぁ新型コロナウイルスもあってかなかなか話は進まずに、半年以上も過ぎた今回にやっと「合流」することに。でも、支援団体の連合の方針に反して産別議員は参加しないし、合流相手の国民民主党の玉木雄一郎代表も不参加に。変な話だよなぁ、合流するのに一方の党首が納得していないという状況は。普通は「破談」になるんじゃ無いのか。

選挙対策、政党助成金目当ての合流であることは明らかなわけで、結局は8年前に分裂した「民主党」に戻るだけの話し。「いゃ、今回参加しない議員もいるし、逆に新規に参加する議員もいる」から「民主党では無い」という言い方もしているみたいなんだけれど、でも顔ぶれを見ればなぁ... その間に何度か選挙があり、旧民主党所属議員だった人も落選したりして、確かに顔ぶれが変わっていることは確かなんですが、主なところのメンバーはそのままですしね。それに今回一番疑問なのは、現在「無所属議員」の合流。初期の頃に考え方の違いから、無所属議員として活動している議員ならまだ分かるんですが、立憲民主党時代に不祥事を起こして除名なり、離党なりした議員が何人か今回の合流に参加することに。それら議員は「比例選出」なので、再び政党に参加するには立憲民主党のままでは復党できず、新党になって貰わないと駄目。それが、今回の「解党」の理由とも言われているんですが、まぁそれ以外にどんな理由があるのかと小一時間。

自民党の総裁選出が、時間の関係で国会議員の投票中心と言われると、「国民の声を無視するな」と声を上げたものの、結局自民党は党員の声を反映するために、出来るだけ支部で吸い上げて、県連の3票に反映させる方法をとることに。一方のこの新党では、結局所属議員だけで新党首を決めることになり、いつもの事ながら「言っていることとやっていることがちぐはぐで、ブーメランで戻ってくる」お家芸はそのまま。なんでこの人達はこう言っていることとやっていることが見事に乖離して居るのか。しかも、世間からそういう部分を指摘されても、言い訳するだけで改善しようとか、見直してみようというようなことも無いわけですし。「れば、たら」の話ではあるけれど、この合流がもっと早く実現していて、例えば国会閉会の直後くらいに新党が実現していて、秋の臨時国会に向けて、あるいは当時は囁かれていた、秋口の解散総選挙に向けて準備を始めていたら、多分今回の総理辞任に対しての攻勢も可能だったんじゃ無いかと思うんですよね。でも、新党も定まらないうちに解散されても困るから、追求するわけにも行かない。さらには、結果的に同じように新しい代表を選ぶ話だけれど、自民党は盛り上がるのに、新党は蚊帳の外。「らしい」と言えばそうだけれど、彼らとしても寂しくないのだろうか。

日頃は与党に辛口(辛辣?)な朝日新聞が辞任会見後に行った「安倍内閣8年弱の実績」世論調査では、71%(大いに:17%、ある程度:54%)もが「評価する」と回答。否定的な方でも、「全く評価しない:9%」、「あまり評価しない:19%」と、本当に否定しているのは1割位なんだなと分かります。また政党支持率では、自民党が10ポイント程度上がったのに対して、立憲民主党は数ポイントの下降。本来なら、辞任して止めていく方が支持率が下がって、新しく大きな勢力になる方に期待値が高まるはずなのに、それが逆転しているところに「本来の国民の理解」が見えるんじゃ無いだろうか。結局は、より高い期待値を要望するから、安倍政権への不満度というか不支持率は高くなっていたけれど、実は現状でもそんなに不満は無かったのかも。だから、それが終わるとなると一気にぶり返しているんじゃ無いかと。逆に野党、特に立憲民主党に関しては、確かにコアな支持層はあるんだけれど、その周りに「ふわっとした支持層」が、今回のドタバタや、これまでの優柔不断というか唯我独尊というか、そう言う姿勢に嫌気がさして離れ始めているんでしょうね。それなら、もう少し国民民主党に支持がシフトしても良いように思うんだけれど、そこは悪い人では無いけれど良い人でも無い玉木代表に対しての印象が弱いからなんじゃ無いだろうか。アメリカのような二大政党制は日本では無理だと私は思っているけれど、巨大な与党に対して是々非々でちゃんと意見を言って反映できるだけの野党勢力は必要。昔は、社会党がそれなりの役割と責任を演じていたように思うけれど、結局は「是々非々」が「是非々々」になり、今では「非々々々」でしか無いところに、支援が広がらないことは明確。今回の合流で何かが変わるとは思えないけれど、責めて政党としてのベクトルの方向性と、許容範囲を広げることくらいは考えた方が良いのでは。で無いと、また分裂して雲散霧消して行くだけだろうなぁ。そう言う危機感が感じられないところが、今回の合流騒動での一番の問題だと思う。

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