2020年9月7日

仮想空間選挙

自民党の総裁選挙活動で、石破氏陣営が任天堂の「あつまれ どうぶつの森」に石破氏のアバターを登場させて活動しようとしたところ、政治的利用は利用規約に反するという事で一転して中止に。出鼻を挫かれた感じですが、なんでそんなことも確認せずに始めてしまったのかと、小一時間くらい問い詰めたいくらい。普通、こう言うツール類は、政治的な目的とか宗教的な目的とか、悪用されればその影響力は大きいから、結構厳しいルールが設定されているだろう事は想像出来るんですが。

ただ、この石破氏のニュースを聞く数日前に、アメリカ大統領選挙戦で、民主党のバイデン候補陣営がやはり「あつ森」US版で同様の事を始めたというニュースを聞いたときに、「あれ、政治的利用を制限するような利用規程は無いのか」とちょっと疑問に思ったんですよね。その後、中止したとか言う話は聞こえず、で日本でも石破氏が始めたという話を聞いたときには、「あぁ、始めにやったもん勝ちだな」とは思いました。でも、直ぐにこの政治利用禁止のニュースが流れてきて「やっぱりね」と思ったものの、どうも腑に落ちない。石破氏側の説明(釈明)では、どうもUS側では問題なので日本側でも問題無いと思ったと言っているらしいけれど、それは通らないだろうなぁ。個人的には、US側で問題無しとなっていることも疑問だけれど、普通レファレンスにするなら、日本のメーカーなんだから先ずは日本版の規約確認をするでしょうに。どうも担当している人は、石破派の平将明衆院議員らしいけれど、この方は私は知っている範囲ではITとかデジタル系に増資の深い方で、結構国会にも積極的に導入しようとしている人。決して素人さんでは無いはずなんですが、なんでこんなポカをしてしまったのかそこが不思議。

昔の選挙と言えば、一軒一軒投票をお願いする、所謂「どぶ板選挙」が基本だし当たり前だったのが、最近ではSNSをいかに活用するかが、選挙活動だけで無く通常に政治活動でも重要に。世代的に言うと、今の60歳前後くらいから上の世代が「どぶ板的活動」の中心で、40代から下の世代はSNS中心に遡及できる世代と思うんですが、人口比がそのまま投票率に反映されると考えると、実は高齢世代の方が選挙に関しては確実に票に繋がります。ただ、最近は若い世代の考え方も変わってくるだろうし、投票方法にしても最近では事前投票の率が高くなってきているように、さらに電子投票とか採用されたら、結構今の年代別投票率は、逆転とは言わないけれどイーブンくらいにはなりそうな気がします。ただ、今のSNSの世界は誰もが参加するようになったが故に、実社会よりも混沌としているところも多いわけで、そういう部分にどう言う対策とかルールを適用していくのか、そう言うことも考えないとますます混乱するだけのような気もしますが。

「あつ森」利用という話を聞いたときにふと思ったのは、仮想空間ではあるけれど自分の考える社会とか政治とか、そう言うものを設定して、国民がある程度体験出来るような「仮想社会」みたいな物に繋がったら面白いかもということ。精密なシミュレーションでは無いから、効果の程は微妙だけれど、実験としてはやってみても良いのかな、と。実際、ビジネスシミュレーションはゲームの中でしているわけだし、元々のコンセプトである「無人島の開発」というのも、ちょっと見方を変えれば「社会システムの構築」とも言えるわけですし。以前何かの番組(CXの「ワイドナショー」だったかな)で、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんがこの「あつ森」で、お布施を集めるために新興宗教の教祖になって人を集めている、みたいな話をしているのを聞いて「なるほどなぁ」と感心したことがあります。部隊が「あつ森」になるかどうかは分からないけれど、そのうち政治家は自分が作った仮想空間で、様々な活動を展示して、そこに有権者がアバターを登録して体験して評価する、みたいな時代が来てもおかしくないのかなと言う気がします。ますます「攻殻」の世界になっていく...

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