2020年9月12日

AIの質疑応答

ITmediaの記事から、金擬大学がチャットツールSlackとAIを組み合わせて、オンライン事業の質疑応答を効率化するという話。実はうちの会社にも似たようなシステムが導入されていて、社内手続きとか社内OA機のトラブルなど、社内で発生する技術的、一般的な質問に対しての回答を自動化しています。

「自動化」と言っても流石に100%ではなく、Level-1, -2, -3と三段階あって、

  • Level-1:
    社内で発生した質問に関しては、基本FAQ集を最初に確認して、そこに回答が無ければ、社内サービスの特定のアカウント(AIが返信するアカウント)に対して質問をします。すると、リアルタイムにバックエンドのAIが、質問内容を解析して、幾つか回答候補を返信します。その中から近い回答を選択して、さらに詳しい内容を送信して質問内容を絞ると、最終的には必要な回答が提供されるというもの。
  • Level-2:
    Level-1で解決出来なかった場合は、担当者宛に質問をメール(あるいは、メッセージ送信)すると、担当者からメールで回答があります。中の人は、AIではなくリアルかな回答担当者なので、Level-1よりは細かく、またある程度経験値から回答してくれるので分かりやすい。
  • Level-3:
    Level-2でも回答できない場合は、担当者が直接か言わしながら、Step-by-Stepで対応することになります。一般的なサービスレベルで言えば「訪問修理」みたいな感じかな。場合によっては、こちらのデスクトップを共有化して、実際に発生している問題を観ながら対策してくれたりします。
過去、何度利用した事はあるんですが、正直Level-1で完結したことはありません。一応、複数言語対応してくれていて、日本語もその一つなんですが、なかなか埒があかなくて、英語で質問するようにしているんですが、それでもちゃんと回答に行き着いたためしがない。Level-2で何とか解決するんですが、Level-3まで行くことも何度かありました。技術的な事は、向こうも専門家では無いので仕方ないとしても、社内手続きとか一般的な話に関しては、もう少しLevel-1の制度を上げて欲しいと頃なんですが。

一つ感じるのは、AI活用するにはかなりの量のサンプリングデータを利用して、十分に学習させないとなかなか的を射た回答は出てこないという事。うちの会社は全世界で数万人規模の会社だけれど、質問頻度とか質問内容等を考えると、一つの問題に対して多ければ数万規模のデータが集まるんだろうけど、そうでも無い質問の場合は数千とか数百くらいのサンプルしか集まらないんじゃ無いだろうか。私は、AIは専門ではないのですが、過去社内の論文査読などをしているときに関連した論文を読む範囲では、問題点としてあげられたトップは、社内での事例数が少ないのでサンプリングとして不十分という事。近畿大学は、日本でも有数のマンモス大学だけれど、それでも学生と恐縮員で37,000人位。その中でサンプリングして行くことは、なかなか大変なような気がする。ただ、小さな事例だろうと、条件が不十分だろうと、この手の技術は実際に利用して作り込んでいかないと将来も無いわけで、そう言う意味では近畿大には頑張って欲しい。

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