2020年8月18日

GDP下落

17日に発表された、4~6月期の国内総生産(GDP)が、実質で-7.8%となり、年率換算すると-27.8%になるという記事。まぁ、「年率換算」は「現状がこのまま継続するとそうなる」という値なので、今の新型コロナウイルスの状況見ると、急激に良くもなるし悪くもなる事が想像されるから、余り気にしても仕方ないと思うけれど。その-7.8%の内訳は、内需の下落が-4.8%で、外需が-3.0%。海外渡航が実質的に無い状態なので、外需が低迷するのは仕方ないけれど、それ以上に国内経済が回っていないことが深刻だと数字からも分かりますね。

内需では、個人表皮の落ち込みが-8.2%と大きく、それがレジャー関係、外食などサービス関係中心に自粛や営業時間短縮の影響で落ち込んでいるわけで、そうなると批判も多かった「Go Toトラベルキャンペーン」というのは対策としては大きいと言えるのでは。そう言う理由があるからこそ、新型コロナウイルスの感染拡大は防ぎたいけれど、それ以上に経済も回さないと社会が死んでしまう状況のジレンマに、各自治体の首長さん達も苦しんでいるんでしょうね。こちら明治大学准教授の飯田泰之氏の記事があって、この内訳の詳しい説明が分かりやすいと思うのですが、4月5月は自粛要請の影響で急激に消費が落ち込んでいるけれど、6月に入り結構持ち直している様子。記事では7月は4/5月の反動の影響もあると説明されていますが、この7月8月でどの程度持ち直すのかが、今年後半に大きく影響しそう。個人的には、少しずつ消費も戻ってきているしGo Toトラベルの効果も多少は影響して、そんなに落ち込まずに案外緩やかに戻って行くんじゃ無いかという気がしているんですが。また、全体的に下落していた4/5月は無制限の給付が効果的で、業種にばらつきが出始めた7月以降は雇用助成と融資を充実させて行くことが有効と説明されていますが、そう言う意味ではこれまで発表された政府の施策もそれに沿っている気がします。

メディアは、どちらかというとより数値の大きい「年率換算」の値を用いて、その影響の大きさに危機感を表しているけれど、世界を見てみると実は日本はまだ良い方だという事も分かります。時事通信の記事には、欧米先進国のGDPの値が掲載されていますが、辛うじてアメリカが日本と同じく一桁台(-9.5%)に留まっているけれど、その他欧州各国は軒並み二桁台の落ち込み。特に英国の落ち込みが酷いわけで、となるとEUを抜ける英国が日本との経済協力を勧めたい理由もよく分かる気がします。特に欧州の場合は、それぞれ陸続きのことも有り、外需に関しては日本よりも影響を抑えられる気がするんですが、それでもこれだけの値になるというのは、それだけ内需が落ち込んでいるという事だろうか。新型コロナウイルスの影響も考えると、一番好結果のドイツですら日本の10倍以上の死者数(単位人口あたり)が出ていて、その他の国はそれ以上の影響が出ているのに、それでも経済を優先して回そうとしている理由がよく分かる気がします。

「経済を回す」とは、イコール「自社のビジネスを回す」事になると思うんですが、その為の一番効果的な方法は、不採算部門を切り離してコスト削減をすること。丁度、リモートワークが段々と広がり、それまでの固定オフィスの必要性が薄れて不動産関係は大変みたいですが、事業の最適化を進めるとなると、今度は人員削減も進むわけで、そうなると非正規社員がまず影響を受けそう。6月までの雇用統計を見ると、徐々に完全失業率は悪化していて、これが7月以降どの様に推移するか気になります。弊社も、ビジネスは比較的順調なんですが、それでも全社的にリモートワーク体制が標準になっているので、オフィススペースの最適化(と呼ぶ縮小)が進んでいます。さらに開発部門なので海外からの契約技術者も多く、その彼らの一部を母国に戻して「国際リモートワーク」にすることで、オフィスコストと滞在費を削減する事も予定しています。そこだけ見ると、コスト削減で良さそうですが、結局作業拠点が分散化するから、テスト機材を余分に手配しないと生けないかったり、開発環境を外部からもアクセス出来るように整備したり、時差の問題はどうするとか、新しいオーバーヘッドも大きいわけで、結果的に「お得なの?」と言う疑問も。まだまだ「試行錯誤中」といった感じですね。だから、経済に関しても急激な回復はなかなか難しいと思います。ただ、コロナのワクチン開発とか明るいニュースが出れば、それを切掛に鬱積した物が一気に爆発して、急激な経済拡大に繋がるかもしれないけれど。それが夢に終わらないことを願うばかりです。

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