2020年8月31日

煮詰まった料理

其れ以前からの存在感の薄さが、安倍総理辞任、自民党新総裁選挙でさらにかすれてしまった、立憲民主党と国民民主党。活動のために「お金」が欲しい立憲民主党と、選挙のために「票」が欲しい国民民主党の利害関係が一致しての合流だけれど、余りの立憲民主党の上から目線に、拒否反応を示す所属議員も。結局、国民民主党は解党して、合流組と新党模索組の二つの流れに分かれそうだけれど、その合流を指揮する国民民主党の玉木代表が「新党模索組」になるというのは、何かロジックエラーを起こしていないか?!

国民民主党が合流にすんなり同意できない理由は多々あり、それは最初から「新党名は『立憲民主党』」「新党首は枝野幸男氏」というところから、政策の違いがあっての合流なのに、それをすり合わせた綱領も無い状態。さらには、「何時何時までに結論を出さないと破談」と脅迫めいた言い方もされては、そりゃぁ幾ら「票」が欲しいと思っていても、「そこまで頭は下げない」と反発されるのも仕方ないでしょうね。さらには、「消費税はそのままか増税」「原発即時ゼロ」等、到底飲めない部分もあるわけで、凝りゃぁまとまる物もまとまらないと思っていたのが先週くらい。ところが、安倍総理辞任の話が出てくると、それに前後して「原発ゼロは目標」みたいな言い方をして、電力労組の議員の取り込みというか、電力労組の繋ぎ止めに走ったり、さらには今度は消費税減税とか言い出した。

個人的に、立憲民主党を信用できない大きな理由の一つが、この「消費税」に関してで、前回の選挙の前には散々消費税増税を批判して居たくせに、いざ選挙が始まるとその事には触れなくなる。終わってみても同様。これって、以前の民主党時代に、散々「ガソリン税は撤廃」と言い「ガソリン値下げ隊」とかふざけたデモもやったくせに、いざ政権を取ったら何だかんだ適当な言い訳をして結局ガソリン税はそのまま。あの時の記憶が未だにあるから、この政党の流れを汲む人達の言動には、まずは疑って掛かるんですが、それでも未だに酷い。唯一の救いは、以前も書いたように細野豪志氏等、この政党を離れた人は、何か呪いが解けるのか結界から解放されるからなのか、その主張に論理的な整合性が出てきて、中には大きく賛成したいような話も。

普段料理をして、出汁とか煮物を調理するときには、素材から出てくる「灰汁」を救い出して、後には美味しい出しなり素材が残るようにするんですが、この人達がやっていることはその逆で、綺麗な上澄みをどんどん汲み出して、後には不純部とか灰汁しか残らない状態に自らして居るように見えます。どちらの方法も目的は同じだけれどやり方が異なるのは、問題となる「灰汁」がどれだけあるか、どこにあるかの違いと言って良いでしょう。前者の場合は、灰汁は表面に浮いてくるから、その部分を救い出せば後は問題無い状態の物が残る。一方で、灰汁が溜まっていく、その量が多い、となると、上澄みだったり越したりして、「問題の無いところだけ拾い出す」方が有利。まぁ、どこの政党も似たり寄ったりだとは思うけれど、立憲民主党は何故か段々と後者の雰囲気が強くなっている気がする。本来なら、同じようなタイミングで新しい党組織が誕生して、それぞれ新しい代表で政治活動が始まるわけです。一方は巨大与党ではあるけれど、もう一方は与党経験もある野党第一党という、まぁ野球で言えば「巨人vs阪神」みたいなもの(えっ?)。でも、一向に野党側の動きは話題にならないし、失礼ながら期待感も高まらない。「新党」と言いつつも、そこに集まるメンバーは以前の民主党の面子の、さらにぐっと煮詰めたような感じだし、新鮮さはもとより、味付けにもして以前に増して「癖が強い」感じ。旧態依然とした自公政権に嫌気がさし、民主党政権も期待外れで、やっと第二次安倍政権で救われた感じがしたのに、突然の「安倍ロス」状態の時に、国民は「あの頃の人達」を、又喜んで選択するのだろうか。8年近くも時間が有ったのに、「新しい顔」を準備出来なかったことが、野党にとっては一番のミスじゃないかな。最も、安倍さんどころか20年も、ずっと党の代表に座っている人もいるわけですが... もう、煮詰まりすぎて、鍋底で焦げ付いているんじゃ無いのか。

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