2020年8月19日

バックステージ

今月一杯で閉園する東京の「豊島園」。その跡地利用として、「ハリー・ポッター」のスタジオツアー施設を開設することに。大阪のUSJに、すでにハリーポッターのテーマパークがあるのに、それと被らないのだろうかと最初は思ったんですが、大阪はハリー・ポッターの「世界観」を体験するテーマパークで、今度こちらに出来るのは、ハリーポッター映画の「舞台裏」を見せる「スタジオツアー」なんですね。2012年に開演したロンドンの施設に続いて、世界で2番目の開園になるらしいけれど大丈夫なんだろうか。確かに「ハリー・ポッター」は世界的大人気の映画だけれど、ディズニーとかのように何年もシリーズが続いているわけでも無いし。今後、新しい「ハリー・ポッター」の映画シリーズとか放映されて、人気が再熱するとかすればいいけれど。施設の内容だって、10年位毎にはリニューアルが必要だろうし。

同じような施設で一番記憶に残っているのは、OrlandoのWalt Disney Worldの"MGM Studio (現Disney's Hollywood Studios)にあった、"Backstage Tours"というアトラクション。Part-1とPart-2があって、Part-1はトロッコ列車みたいな物に乗って、屋外セットに移動し、ここで大仕掛けの爆発や火災シーンに大水流みたいなものを体験。その終着駅に、お土産物とか軽食の場所があり、そこからPart-2のビルに入ると、中には色々な小道具が展示されています。しかも当時は実際の作業場もガラス越しに見ることが出来て、その後の映画で使う小道具作成の様子も見ることが出来ました。その施設の横には、昔のNew Yorkの町並みを再現したビルの書き割りのセットがあり、「あぁ、こんな風に映画は撮影されるんだ」とかなり感激しました。今調べてみたらMGM Studioは1989年に開園しているので、まさにその開園直後に行っていたことになります。今見たら、今はもう無いみたいで一寸寂しいですね。でも、あの時感激は今でもよく記憶しています。

日本でも、色々有名な映画はあるのだから同様の施設を開設すれば良いと思うのだけれど、やはりかかるコストが大変だし、それを回収できるくらいの入場者数だって大変。年間何千万人も来演するWDWだから、あれだけのコストを掛けて作る事が出来るし、それだって10年、20年と経過すれば陳腐化するから、新しいアトラクションに更新しないとテーマパークとしての寿命も耐えてしまう。ベースとなる、映画コンテンツがちゃんと成り立ち、それを利用したテーマパークがあり、そこに来てくれるそれなりの数の来演者が期待出来、それら来演者がまだ映画を見に来てくれるという、大きなエコシステムが完成しているからこそなんですよね。グローバルにビジネスを展開している、ディズニーとかユニバーサルだから可能なビジネスモデルなのかもしれない。

日本の場合は、例えば地元静岡県の沼津市では当地を舞台にして「ラブライブ!」とのコラボで、全国的にも話題になったし、今でも根強い人気があるみたいだし、茨城県の大洗町の「ガールズ&パンツァー」も大きな話題に。「聖地巡礼」なんて言う事があるのも、結構日本のアニメファンだけで無く、世界中から話題になったアニメの舞台となる町や場所にやってくるわけで、ああ言うのって、結構コアなファン層が中心だから、「細く長く」のビジネスモデルには最適かもしれない。暫く前に、人気が下降していた動物園が、旭川動物園が最初でしたっけ、「行動展示」ということで、実際に動物達が自然の中で行動するような形に施設を変えて人気が回復しましたが、あれだってある意味「バックステージ」を見せているようなものかも。日頃「表側」しか見えないから、「裏側」の魅力は生まれるし高まるわけで、まずはその「表側」でどれだけ魅力あるコンテンツが準備出来るか、そこがなかなか難しいわけですが。そう言う意味では、ハリー・ポッターは人気や知名度では問題ないけれど、賞味期限という意味ではどうだろうという気は個人的にしています。

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