2020年8月12日

香港危機

香港の民主化リーダーの一人、周庭(アグネス・チョウ)氏と、地元の民主化系新聞の「蘋果(ひんか)日報」の創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏が、先日施行された「香港国家安全維持法(国安法)」違反の容疑で逮捕され、国際的に大きな騒ぎに。その二人は、幸いにも一日で保釈されて一旦は落ち着いたかには見えるのですが、そのまま額面通りに受け取れないのが中国の政治というか共産党政治なわけで、今後の動向が注目されます。

今回の保釈も、新聞記事では国際的な反響の大きさを勘案しての処遇と記事には書いてありますが、個人的には一種の「見せしめ」というか、「ここまでやるときはやるよ」みたいな示威行為だったんじゃ無いかという気がするんですよね。それは、象徴的な二人に対してでもあり、香港の住民に対してでもあり、民主化を支持する海外に対してでもあり、なんじゃないかと。この手の恫喝行為は、お手の物ですしね。その波及効果を見ると、手段としては上手い気がします。勿論、それが正しい手法だとは一切思わないけれど。

かつての英国の統治時代、「香港」というのはアジアの中では別格な響きがあったわけで、それはある意味亜細亜を代表する国家と言えば、「日本」と「香港」という印象すら有ったことも。資源の無い日本よりも、さらに制限のある状態の中、国際金融に活路を見いだして発展していった香港が、まさか返還から20年余りでこんな状態になるとはと思っている人が多いとは思うけれど、でも中国のこれまでのやり方を見ていれば、大人しく50年間の「一国二制度の維持」をしているとは思わない人も多く居たんじゃ無いだろうか。

流石に日本国内でも多くの批判の声が上がって入るわけですが、その中で「これが日本の将来の姿」みたいなトンチンカンな事を言っている人も多いことにはガッカリ。そう言うことを言うから、いつもの発言の説得力がさらに下がるんだよなぁ。それと、リーダーの周庭さんが流ちょうな日本語でインタビューに答える映像が何度も流れるんですが、逆に日本人で中国語で対応出来る人、あるいは英語で対応出来る人は、どれくらいいるんだろうか。以前幾つかの新聞が、日本語版では訂正した内容を英語版では訂正もせずにずっと公開していて物議を醸したけれど、やはり世界が目を向けているのはまずは「英語」。私も仕事で必要だから多少は読み書き話しは出来るけれど、なかなか微妙な部分を正しく伝えることは難しい。日本語手もなかなか通じないようなことを、さらに英語で伝えるのは難しいのだけれど、でも例え片言でもまずは一歩踏み出す気持ちが無いと、次の扉も開かない。もしかすると、近い将来日本もそんな状態になり、世界に向けて支援をお願いしないといけない状況になるかもしれないわけで、「その時」を覚悟して準備していくことが必要かも。それ位、大きな出来事だと思います。

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