安倍総理が広島慰霊祭の後に広島市内で会見したときに、会見後官邸報道室職員が朝日新聞の記者の右腕を掴んで制止したと抗議している問題。朝日新聞と毎日新聞は、「ゆゆしき問題」と早速翌日の紙面で取り上げたけれど、官邸側は「掴んだ事実は無い」という態度。会見時のビデオは登録されていて見ることは出来るんですが、肝心の「その場面」は映っていないし、新聞社側もその様子を撮影した映像は無いみたいで、今の所は「掴んだ・掴まない」の水掛け論のまま。
会見の様子をビデオで見てみると、三密を避けるためにかなり広く記者側の席が取られていて、且つ首相や官邸スタッフとの間隔も広く空けられています。会見終了後、首相はそのまま横に移動して、前の出入り口から出ようとしたように映像では見られるので、多分件の記者は席から立って首相の移動する前方に出てきたんでしょう。その時に、スタッフかSPか分からないけれど、誰かに阻止されたのでは、と言う想像はそんなに間違いではないのでは。その時に、どの様な「阻止行動」をしたのかが分からないと、それが通常の範囲なのか行きすぎなのかも分からない。ただ、翌日にこの件を報道した朝日新聞と毎日新聞ですが、当事者の朝日新聞はそれなりに詳しく報じているのは当然としても、お仲間の毎日新聞は「朝日新聞がこう言っている」という伝聞情報のみ。多分毎日新聞記者も会見には同席していたはずだろうし、その場合はこの場面も見ているはずで、でもその言及が無いのはその行為がそんなに問題にするようなレベルでは無かったか、元々そうではなかったからと言う想像も出来ます。その後朝日新聞は後追い記事でこの件に関して菅官房長官の記者会見の場でも質問し、菅官房長官から「その様な事実は無い」との回答に対して、「体に触れてもいないのか」とトーンダウンしているんですよね。移動する首相に対して、迫ってくる記者と首相の間に入っただろう職員に対して、当たる・触れることは多分あり得ること。でも、それは「腕を掴んで阻止した」事とは全く別の話なわけで、元々主張している「意図的行為」の話を、なんで「偶然の接触」にまで変更するんだろうか。
この会見にしても、一応質問は4問で会見時間は後の移動予定(広島空港からの帰りの飛行機のスケジュール)もあるので10分間という約束で始めたもの。その後、3問目で時間が過ぎたので一旦職員が止めたものを、「後一問だけ」という事で首相が対応し(これで時間オーバー)、さらに続けて二問目の質問をしようとして一旦終了したけれど、それに関して首相が回答して会場を離れようとしたもの。そこに、映像ではよく聞き取れないのですが、中に国会の野次のような感じで質問をしているような声が入るんですが、これが件の朝日新聞記者なんでしょうか。質問そのものが予定外の行為だし、仮にその時間なり質問数に不満があるなら、そこは記者クラブなり幹事会社が対応するべき話では。今回だって、帰りの飛行機の予定が決まっているわけだから、そこから逆算して会見を早めるなり、それはメディア側の努力目標だと思うし、のべつ幕なし不正規な質問をしていたら、やはり対応する側もそれなりの対応になってくるのは仕方ないと思う。
首相の会見が少ない、間隔が空いていると言うけれど、色々な指示とか発言は、文章の形とか色々な形で提供されている。でも、メディアが欲しいのは、そう言う「言葉」ではなくて「(攻めている)映像」なんですよね。その時に後から使える瞬間の「映像」が取れれば、会見の内容なんでどうでも良い。どうせ会見内容に関しては、自分達の主張を被せて都合のよい方向に脚色して伝えればいいわけですか、後から何とでもなる。そこに、例えば眉間に皺を寄せる首相の表情とか、何か起こっているような表情とか、自分達の都合の要因尚早さに使える映像があれば彼らは満足するんですよね。大体、そう言うことを言うのなら、彼らメディアの会見には常に社長が登場するのだろうか。野党が会見するときは、常に党首が出てこないといけないのだろうか。結局今回の件だって、実際に掴んだ・掴まないというのが本筋では無く、掴んだ疑いがある、会見数が少ない、首相の対応が不足、国民は納得していない、という、何か非の無いところに煙を立てられれば満足する結果なんですよね。コロナ対策には「三密回避」が必要だけれど、ここに聞いて「三離継続」も必要では無いだろうか。つまり「新聞から離れる、ワイドショーから離れる、感染専門外の医療関係者から離れる」という事。「無駄」だけなら笑っても済ませるけれど、それが「邪魔」で「害悪」にまでなっているのでは、こちらも「駆除」する必要があるよなぁ。
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